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ドラ1→引退後は高校監督「楽しくなかった」 21年ぶり鷹に復帰…異色採用の“真相”

Full-Count / 2024年11月9日 7時20分

就任会見に臨んだ三笠杉彦GM、大西崇之氏、細川亨氏、大越基氏(左から)【写真:長濱幸治】

■早鞆高の元監督・大越氏が決意「選手の人生を変える可能性のある仕事」

 現役の高校教員が異例の入閣を果たした。ソフトバンクは8日、山口県・早鞆高で教員を務めている大越基氏が4軍監督に就任することを発表した。1992年ドラフト1位でダイエー(当時)に入団し、2003年限りで現役を引退。その後、大学に通って教員免許を取得し、2007年から同校で教壇に立つと、2009年からは野球部の監督に就任。今年夏の県大会まで指揮を執った。異色の経歴を持つ大越氏は、15年間の高校野球指導について「子どもたちの人生を変える可能性がある仕事だったので、楽しくはなかった」と本音を明かした。

 現在も高校で教員として勤務する大越氏。12月末日に退職する予定だという。年休を取って臨んだこの日の就任会見では「ホークスで選手として11年間プレーして、まさか21年後にこういう席に座っているとは思ってもいなかった。個人的にはすごく嬉しいですけど。私の仕事は選手の人生を背負うので。ただ嬉しいだけでなく、緊張感、怖さを持ちながら過ごしているところです」と心境を語った。

 教員として18年、高校野球の監督としては15年の月日を過ごした。「教員になったときもそうだったんですけど、楽しくはないですよ。大げさかもしれませんけど、子どもたちの人生を変える可能性がある仕事なので。(野球部の)監督になるときに、王(貞治)会長に言われたのは、『それくらい恐怖、怖いという思いがある方がいい』と。その思いは変わらないですね」。ソフトバンクの4軍は若い育成選手がほとんどなだけに、責任感を口にした。

 会見に臨んだ三笠杉彦GMは、大越氏の抜擢についてこう説明した。「NPBに限らず、アマチュアでも熱心に指導をされている優秀な方はいる。『目指せ世界一』のスローガンを掲げる中で、優秀な選手を世界中から集めたいと話していますが、指導者についても同じ考えなので。スポーツの世界でもジュニア世代の指導が一番難しいと言われています。これからもアマチュアで指導されている方にホークスへ来てもらうというのは考えていきたいなと思っております」。今後の試金石となる人事と言える。

 大越氏は「選手の家族、保護者の存在も感じながら教えられる指導者になりたいという気持ちが強いので。責任を背中でズシリと感じました」と強調。「愛情を持って接していくと、選手たちもだんだんといい方向に行くんじゃないかなと思います。愛情を忘れずにやっていきます」と意気込んだ。

 現役の高校教員を入閣させるという異例のケース。千賀滉大投手(現メッツ)や甲斐拓也捕手、牧原大成内野手、石川柊太投手らを生み出した“育成のホークス”に新たな風が吹くのか。注目だ。(長濱幸治 / Kouji Nagahama)

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