イチロー氏が大冠高で指導 打倒・強豪私立へ厳しい言葉「ここまで言うのは初めて」
Full-Count / 2024年11月10日 17時31分
■2017年には夏の大阪大会で決勝に進出…きっかけは部員全員からの手紙
マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクターを務めるイチロー氏が、9日から2日間にわたり大阪・大冠高で野球部員たちを指導した。2020年から毎年高校生を指導しており、これで9校目となった。
今回、同校を訪れたのはイチロー氏のもとに選手全員からの手紙が届いたのがきっかけだった。同校は公立校ながら2017年には夏の大阪大会で決勝に進出。大阪桐蔭高に8-10で敗れたものの、激闘を演じた。チームの目標は「強豪私立を倒す」。その本気度を厳しい目で見てみたいという思いで訪問を決めた。
初日、グラウンドを訪れたイチロー氏は「初めましてイチローです。手紙届きました。すごく情熱が伝わってきました」と選手にあいさつ。「大阪の状況を見ると、大阪桐蔭と履正社の2強なんだろうと。強烈に意識しているよね? 一方で相手がどう思っているか考えてほしいんだよね。彼らはどう思っているか、考えたことある? 僕は愛工大名電で野球をやっていて、愛知4強と言われて。この立場からするとベスト16のチーム、眼中にないです。意識もしていない。相手は相手と思っていない、そこに挑むんだよ」と話した。
「強豪校は強豪校としかやっていない。自分たちがうまくなるレベルのチームと試合をしている。だから(強豪と)差が開いていく。その壁は相当厚い。初めましてでここまで厳しいことを言うのは初めてです。僕も本気で来たと言うことを知っておいて」と、10分かけて選手たちへあいさつした。
1日目はノック、バッティングを行った。グラウンドは右翼が75メートルと狭くなっており、フリー打撃ではイチロー氏が約30スイングを披露。フェンスを超えて右翼の奥にある体育館の天井へボールを運ぶ場面もあった。
2日目もノック、ケース打撃などに参加。加藤日向主将は「強豪私学からは、僕らは『眼中にない』と思われているんだということも知ることができた。悔しかったが、刺激的な2日間だった。来年の夏、成長した姿を見せることが恩返しになると思うので、本気で甲子園をめざして頑張りたいです」と振り返った。
2020年2月に「学生野球資格回復制度」の認定を受けたイチロー氏は同年12月、教職員と草野球で対戦するなどの交流があった縁で、3日間にわたって非常勤コーチとして智弁和歌山を指導。同校は、翌2021年夏の甲子園で優勝を果たした。昨年は旭川東(北海道)、宮古(沖縄)を指導していた。(Full-Count編集部)
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