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断トツでも逃した巨人29歳…ついに初受賞か 遊撃に新たな忍者、データで選ぶセGG賞

Full-Count / 2024年11月12日 7時40分

巨人・吉川尚輝【写真:中戸川知世】

■指標「UZR」を基準にGG賞を選出…セ・リーグ編

 守備の名手に贈られる「第53回三井ゴールデン・グラブ賞」が12日に発表される。同賞は記者投票によって選ばれるが、データだけに基づいて決定してみると……。今季のセ・リーグを検証してみたい。

 セイバーメトリクスの指標などを用いてプロ野球の分析を行う株式会社DELTAのデータを参照する。用いるのは、守備で平均的な選手と比べた時にどれだけ失点を増減させたかを示す「UZR」。対象とした選手は「三井ゴールデン・グラブ賞」有資格者の83人(投手36人、野手47人)とした。

 二塁手は、吉川尚輝(巨人)が6.5でトップ、2位は今季ブレークした田中幹也(中日)で3.3。守備率でも.994の吉川に対して田中は.991と、ともに安定した守備が光っただけに接戦となるか。29歳の吉川は昨年断トツ数値の10.9も受賞ならなかった。昨年初受賞の中野拓夢(阪神)は-11.0で6位。8失策で守備率は.990で3位となっている。

 遊撃手は、美技で魅了する矢野雅哉(広島)の11.5がトップ。守備率.985も評価されて初受賞となるか。2位には4.3の門脇誠(巨人)がつけるが、14失策は遊撃手の有資格者の中ではワーストとなっている。

■三塁は巨人・坂本がトップ数値…外野は中日・岡林が断トツ

 一塁では4人が候補。一番多く守ったホセ・オスナ(ヤクルト)はUZR-7.4で最下位。UZR1位はタイラー・オースティン(DeNA)の1.6で、岡本和真(巨人)が1.1、大山悠輔(阪神)が-6.0となった。三塁では昨季コンバートされた坂本勇人内野手が唯一のプラスとなる10.1をマーク。守備率も.976で三塁手トップを叩きだした。

 外野手では、セ・リーグで7.0と断トツの数値を示したのが3年連続3度目の受賞を狙う岡林勇希(中日)だ。2位は梶原昂希(DeNA)の0.6、秋山翔吾(広島)が0.1で3位となっている。昨年受賞の近本光司(阪神)は-6.0。森下翔太(阪神)は-3.3。巨人の外野手で唯一の資格を持つ丸佳浩は-5.5となった。

 1000イニング以上で外野を守り、失策ゼロなのは岡林、秋山、丸だけ。UZRは12球団の比較指標のため、今季はパ・リーグの選手がUZRを稼いでおり、セ・リーグの外野手の数値は全体的に低くなっている。(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)

データ提供:DELTA
 2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』も運営する。

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