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巨人左腕はプレミアVへのキーマン 専門家絶賛の23歳…快投がもたらした“起用の幅”

Full-Count / 2024年11月14日 14時56分

豪州戦に先発した侍ジャパン・井上温大【写真:小林靖】

■新井宏昌氏が分析…6回途中8K2失点の巨人・井上は「期待以上」

「ラグザス presents 第3回 WBSC プレミア12」オープニングラウンド・グループBが13日に開幕。野球日本代表「侍ジャパン」はバンテリンドームで豪州戦に臨み、9-3で快勝発進した。先発した巨人の左腕・井上温大投手が、6回途中5安打無四死球2失点と好投した。

“開幕投手”を務めたのはプロ5年目の23歳。今季途中から巨人のローテに定着し、8勝(5敗)を挙げた若手成長株の井上だった。今大会の侍ジャパンには、最多奪三振に輝いた巨人の戸郷翔征投手、防御率1.38でタイトルを手にした中日・高橋宏斗投手、13勝の阪神・才木浩人投手ら、実績で井上を上回る投手もいる。

 現役時代に通算2038安打を放ち、引退後もオリックス、広島などで名コーチとして鳴らした野球評論家・新井宏昌氏は「この後に対戦する韓国、チャイニーズ・タイペイ、ドミニカ共和国などの強敵に、実績のある投手をぶつけたいという計算があったのだと思います」と解説。「とは言え、井上は期待以上の投球をしてくれたと思います。この後の試合で先発でもブルペンに入っても、ベンチにとっては起用しやすくなりました」と指摘した。

 140キロ台のストレート、ツーシームを内外角にビシビシ決め、スライダーも効果的だった。5回までは3安打無四死球で8三振を奪い、非の打ちどころなし。ただ、5-0とリードして迎えた6回、先頭打者への初球ストレートが真ん中に入り、中堅席へ特大のソロアーチを被弾。次打者にも右前打され、井端弘和監督が交代を告げた。

■来季は戸郷と左右の両輪へ…「期待を抱かせる投球」

 新井氏は「あえて言えば、5回を投げ切ったところで代えた方がよかったのではないかと思います。日本のプロ野球でも、5回終了時にはグラウンド整備があって、先発投手は少し疲れてきたところで長すぎる休憩を取ってしまい、6回に打たれるケースがよくあるのです。5回で代えておけば、ヒヤリとする場面もなくて済んだのではないでしょうか」と分析する。

 この回、救援したロッテ・横山陸人投手も2ランを浴び、得点差は「2」に縮まった。それでも打線が7、8回にも加点し、まずは理想的な勝ち方で大会を滑り出した。

 新井氏は「おそらく巨人関係者はきょうの井上の投球を見て、来季は確実にローテを守り2桁勝利を挙げてくれると思ったのではないでしょうか。戸郷と並ぶ左右のエースという期待を抱かせるような投球内容でした」と評する。

 巨人では今季15勝3敗、防御率1.67の圧倒的な成績を残した菅野智之投手が、海外FA権を行使しメジャーへ移籍する見通し。井上は来季、菅野が抜ける分も含め、今季以上の成績をあてにされる立場になる。国際大会で開幕投手を務めた経験が、さらなる飛躍のきっかけになれば何よりだ。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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