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ファンからのDMで知った戦力外…先に出てしまう情報「いい気持ちしない」 鷹右腕の“本音”

Full-Count / 2024年11月17日 7時30分

ソフトバンクを戦力外になった中村亮太【写真:竹村岳】

■日本Sが終了した3日夜…球団から電話で伝えられたのは「事務所に来て」

 プロ野球選手として、節目に立たされる瞬間だ。頑張ってきたのは自分なのだから、最初に自身の処遇を耳にするのも自分自身でありたいというのが、選手の本音だった。オフシーズンとなり各球団で戦力整備が進む中、戦力外通告を受けたのがソフトバンクの中村亮太投手。自分が来季の構想から外れていることを知ったのは「SNS」だった。

 26歳右腕は千葉経大付高から東農大北海道オホーツクを経て、2020年育成ドラフト8位で入団した。2022年7月に支配下登録されたが、同年オフに再び育成で再契約。今年7月に2度目の支配下登録を掴んだ。しかし、1軍では1登板に終わり、防御率18.00。「なかなか上手く行かないですね。悔しかったです」と結果を受け止めていた。

 日本シリーズでDeNAに敗れ、今シーズンの戦いが終わったのが今月3日。その夜、球団から電話がかかってきた。

「また育成を打診されるのか、シンプルに戦力外なのか、トレードの話があるのか……。何もわからない状況で『事務所に来て』としか言われていませんでした」と明かす。電話で伝えられたのは、それだけ。今後がどうなるのか、まだ何も知らされていなかった。

■電話から一夜明け…ファンから届いていたメッセージ「辞めないで」

 一夜が明け、4日朝にSNSを見た。「インスタグラムのDMでファンの方から『辞めないで』ってきていたんです。何の話? って思って、記事を見ました。それがもう4時間、5時間前のものだったので。だいぶ経っていました」という。トレードの可能性も頭にはあったが、構想外であることを知って、ショックを受けた。「自分は『事務所に来て』って言われただけだったので、(ファンも)もう知ってるんだと思って、Xを開けたら情報が出ていました」と打ち明ける。

 選手が知るよりも先に、情報が世に出てしまう。右腕も「いい気持ちはしないですね。ダメな成績でも、今まで苦しい場面を経験して頑張ってきたのも自分なわけじゃないですか。最初に聞くのは自分に権利があると思っています。それを、自分よりも前に先取りで聞かれてしまうのは……」と選手目線の心境を語った。

 2023年11月には中村亮にとっても関係の深かった高橋礼投手と泉圭輔投手がトレードで巨人に移籍した。先輩たちの背中を見ていたこともあり、わずかな可能性があるなら、実際に耳にするまでは少しだけでも信じていたかった。

 通告から数日が経ち、ファーム施設「HAWKS ベースボールパーク筑後」でトレーニングを重ねていた。14日にZOZOマリンスタジアムで行われた「12球団合同トライアウト」にも参加。今後に向けて「1軍では成績は残せませんでしたが、逆にチャンスだと思っています。『どうしよう』というよりは、違う意味で楽しみにしています」と前向きだった。新天地で花を咲かせられるように、苦しい場面にも真っすぐに立ち向かっていく。(竹村岳 / Gaku Takemura)

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