破れない“不文律”、日の丸の重圧も「やっぱ2連投まで」 侍J井端監督の苦悩
Full-Count / 2024年11月18日 10時55分
■4連勝でスーパーラウンド進出も…井端監督は継投の難しさを吐露
野球日本代表「侍ジャパン」は17日、「ラグザス presents 第3回WBSCプレミア12」のオープニングラウンド、グループBのキューバ戦で競り勝って4連勝。グループ首位通過を決め、21日からのスーパーラウンド進出を決めた。雨が降りしきる中で1点差ゲームを物にする厳しい展開。井端弘和監督は継投について「難しい」と3度繰り返した。
駐車場へ向かう天母スタジアムの薄暗い通路。井端監督は継投の難しさを吐露した。
「難しいです。難しいっすね。何というか、やっぱ“2連投まででしょ”って言うのが、これからもあるし。だけど、落とすわけにはいかないので。やっぱ難しいな」。代表監督としての苦悩がにじみ出ていた。
一戦必勝の短期決戦だが、好き勝手にタクトを振れるわけではない。侍ジャパン監督はプロ野球12球団から選手を預かる立場。当然、各球団との“不文律”のようなものがある。例えば井端監督が守護神に指名した大勢(巨人)。15日の韓国戦、16日のチャイニーズ・タイペイ戦と2連投。今シーズン3日連続登板はなく、キューバ戦では頭から使う気はなかった。
この日は早川(楽天)が6回途中で降板。継投策に入ったが、3番手・鈴木(ロッテ)、4番手・清水(中日)はイニング跨ぎとなった。「今日は最初から『この投手で逃げ切るしかない』と思ってやったので、こういうふうになると、ある程度予想してたんですけど。“マタギ”とか、あんまり経験していない投手も今日は行ってもらうしかなかった」。指揮官は継投の舞台裏を明かした。
2023年3月のWBC決勝・米国戦では守護神・大谷翔平で世界一を奪回した。だが、当時所属のエンゼルスでの救援登板はなく、侍ジャパン側は事前に球団側と入念にコンタクトを取った上での起用だった。常に最善策を取れるわけでない。それだけ代表監督は大変な役回りなのだ。
今や侍ジャパンは「勝って当たり前」と思われている節がある。「投手が限られている中でやらないといけないというところでは、ああやって勝てたのは良かったんですけど。選手がよく頑張ってくれました」。オープニングラウンド首位通過を決め、とりあえず井端監督はホッと一息をついた。(小谷真弥 / Masaya Kotani)
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