パーマで合同トレ参加も…中心選手から即丸刈り指令 18歳への“洗礼”「えって思った」
Full-Count / 2024年12月3日 6時50分
■宇野勝氏はパーマをかけて1年目の自主トレ参加…先輩に注意され丸刈りに
1976年のドラフト3位で銚子商から中日入りした宇野勝氏(野球評論家)のプロ野球人生は、名古屋・瑞穂グラウンドでの合同自主トレからスタートした。「走って、走って、走ってばっかかい! みたいな感じだった」と懐かしそうに振り返ったが、いきなり先輩選手からの“先制パンチ”も浴びていた。「髪を伸ばしてパーマをかけて行ったら『何だ、その頭は。丸刈りにしてこい!』って言われたんだよなぁ」と明かした。
1977年の中日自主トレ。宇野氏は「あの頃は瑞穂グラウンドでやったんだよ。で、確かその時だったと思う。大島(康徳)さんに『丸刈りにしてこい!』って言われた」と苦笑しながら話した。銚子商時代は丸刈りスタイル。高校野球を終えてから伸びた髪にパーマをかけて、自主トレに参加したところ、いきなり8歳年上の先輩内野手ににらまれてしまった。
その年の同期ドラフト組は、1位の滋賀・堅田高の都裕次郎投手をはじめ、6人中5人が高校生。その中でも宇野氏のヘアスタイルは目立っていたのだろう。「でも、言われた時は“えっ”て思ったよ。プロでもそういうのがあるとは思っていなかったから。あの時は、また軍隊みたいなことが始まるのかぁって思ったなぁ。まぁ、高校生みたいな五厘刈りではないけど、丸刈りにはした。素直にしてきたからか、大島さんにはその後かわいがってもらったよ」。
キャンプは2軍スタート。愛知・蒲郡市で行われた。「俺、千葉から来ているわけじゃん。蒲郡ってどういうところかまるっきり知らないわけじゃん。そしたらさ、もう無茶苦茶寒いわけよ。プロ野球って、こんな寒いところでキャンプやるのかって思ったね。雪も降ってきたし……。で、雪が降ったら練習休みって。えっ、そんなんでいいのって思った。高校は厳しくてずーっと練習、練習、練習でやってきたから大丈夫なのってね」。それが“第一印象”だったという。
「キャンプを1週間か10日くらい、守備してノックしてバッティングして、先輩方と一緒にやってみて、少し何か自信というか、あれっ、俺、もしかしたらやれちゃう、みたいな。あくまで2軍だけどね。2軍の練習なんだけど、レベル的に見て、これなら、みたいに少し思った覚えがある。銚子商って結構レベルが上の方の高校野球だったから、バントフォーメーションとかも一緒のことを高校時代にやっていたし、全然、迷わなかったんだよね」
■高卒1年目で1軍に2試合出場…打席には立たなかったが貴重な経験を積んだ
2軍のオープン戦では途中からスタメンで出るようになったという。「藤井寺球場で、当時、監督だった井上登さんに『宇野、ちょっと代打で行け』って言われて出たらホームラン。それからは打っても打たなくても5番を打たせてくれたんだよ。開幕してからもそう。で、ジュニアオールスターに出たりして、その後に1軍に上がった」。
高卒1年目、1軍初出場は7月29日、本拠地ナゴヤ球場でのヤクルト戦で8回から遊撃のポジションに就いた。打席に入ることはなかった。8月3日の広島(広島)にも途中から遊撃守備に就いた。打席が回ってきたが、代打(関東孝雄内野手)を出されて交代となった。1年目の1軍出場はこの2試合だけだった。「10日くらいしか1軍にはいなかったよね。1軍の事情による人数合わせで上がったんじゃないのかなぁ」。
初めて経験した1軍の世界。やはり2軍とは違っていた。「1軍のベンチはウォーリー(与那嶺要)も野球には厳しい監督だったし、星野(仙一)さんもいたし、ゲーム中はピリピリしているわけよ。そういうのは感じたよね」。レベル的にも「2軍ではついていけると思ったけど、1軍ではそういうことは……。そんなことを考えるよりも緊張感の方が上だった。代打を出されても何とも思わなかったよ」と話す。
「まぁ明日からファームって言われた時、1打席も立っていないんだなぁとは思ったかな。それはちょっとがっかりしたというのはあったかもしれないけど、落とされて悔しいとはまるっきり思わなかった。だって高校出の1年目だったからね」。とはいえ、1年目から1軍の厳しい空気を味わったことは大きなプラスになったことだろう。“大島指令”で実質丸刈りからスタートしたプロ生活で、宇野氏は着実に成長していった。(山口真司 / Shinji Yamaguchi)
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