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埋まらなかった吉田正尚の“穴” 5位転落…元コーチが見る現状「“一発屋”にとどまっている」

Full-Count / 2024年12月5日 7時40分

オリックス・頓宮裕真(左)と杉本裕太郎【写真:小池義弘】

■頓宮は昨年.307で首位打者→今年は打率1割台と低迷

 オリックスは昨年までリーグ3連覇を成し遂げるも、今年は5位に転落。来季は岸田護新監督が指揮を執る。再浮上の鍵はどこにあるのか。かつてオリックスの打撃コーチを長年務め、あのイチロー氏(マリナーズ球団会長付特別補佐兼インストラクター)のブレークに携わった野球評論家・新井宏昌氏が分析した。

「来年のオリックスは、投手陣の方は今年故障がちだった山下(舜平大投手)、東(晃平投手)、山崎颯一郎(投手)、宇田川(優希投手)らが戻ってくれば、十分戦える陣容だと思います。問題は打線でしょう」と新井氏は見る。大黒柱の山本由伸投手(ドジャース)、昨年11勝の山崎福也投手が抜けながらも、リーグ2位のチーム防御率2.82と健闘した。しかし、チーム打率.238と402得点がリーグ5位の打線が援護できなかった。

「オリックスには、2年前の吉田正尚(外野手=レッドソックス)のメジャー移籍以降、打線を引っ張る生え抜きの野手が現れていません。タイトルを取った打者も“一発屋”にとどまっている印象です」と新井氏は指摘する。というのは、昨年打率.307で首位打者に輝き、16本塁打49打点をマークした頓宮裕真捕手が一転、今年は81試合出場で打率.197、7本塁打30打点と低迷した。2021年に32発で本塁打王となった杉本裕太郎外野手もそうだが、プロ入り後タイトルを獲得した1シーズン以外に、規定打席数をクリアした年がない。

「1年限りでなく、続けて規定打席に立つくらいの活躍をして初めて一流と言えます。いろいろありますが、やるべきことを継続してやれるかどうかが、1つの分水嶺になるのではないでしょうか」と新井氏は語る。脳裏に浮かぶのは、新井氏がオリックスの打撃コーチに就任した1994年に初めて1軍に定着し、いきなり当時の日本記録を更新する年間210安打を放ち、同年からメジャー1年目の2001年まで8年連続首位打者を獲得したイチロー氏の姿だ。

■あのイチロー氏が丸5年間欠かさず続けたハードな練習とは

「イチローは私が出会った1994年から丸5年間、春季キャンプからシーズンを含めてグラウンドに出る時には毎日、足腰を鍛えるティー打撃を続けました。6年目に初めて『この練習はもうやらなくていいですかね』と言ってきました」と回想する。

 イチロー氏が日課としていたティー打撃は、股を少し広げ、少し膝を落として踏み出す右足に重心を置き、バットを逆手(左打者のイチロー氏の場合は右手を上、左手を下)に握って打ち込むハードなものだった。これで右足に踏ん張る力が育まれ、緩急をつけた投球にも対応できるようになっていったという。

 一方、「レギュラーをつかんだと思った選手が怪我を繰り返し、試合に出続けられないケースもあります。また、怪我ではなく、少し調子が落ちると、すぐ2軍に行かせてしまうことも目立った気がします。だから規定打席に到達する選手がなかなか出てこない。すぐにファームに預けるのではなく、首脳陣の目の届く1軍で練習させながら、復調を促してもいいのではないかと思いました」と自論を述べる。このあたりに、新監督の下で変化が見られるかどうか。

“移籍組”では、広島からFA移籍した西川龍馬外野手が自己最多タイの138試合に出場したものの、打率.258、7本塁打46打点といまひとつだった。移籍2年目の森友哉捕手は相次ぐ故障に見舞われながらも、規定打席をクリアし、リーグ3位の打率.281。チーム最多の15本塁打を放ったレアンドロ・セデーニョ内野手は、今年限りで自由契約となった。

 新井氏は「西川には、パ・リーグの投手に慣れる来年以降、チームを引っ張る活躍を期待します。それに新外国人が当たるかどうかも、ポイントでしょうね」と指折り数える。オリックスを再び押し上げるリーダーが現れるだろうか。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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