「食べるのに苦労」した日本食 異国で活躍へ…台湾出身195cmルーキーの「覚悟」
Full-Count / 2024年12月11日 16時0分
■西武に4位で指名された林冠臣(リン・クァンチェン)
「ラグザス presents 第3回WBSCプレミア12」で日本を下し、世界一となったチャイニーズ・タイペイ代表。その存在感は日本国内で日に日に増してきている。2025年シーズン、パ・リーグでは9人(育成選手含む)の台湾人選手が所属。“世界一”の良い刺激を受けた新人選手の活躍は今から楽しみだ。
今回は、台湾生まれで日本経済大出身、ドラフト会議で西武に4位指名された林冠臣(リン・クァンチェン)外野手に話を聞いた。
――まずは自己紹介をお願いします。
「皆さん、はじめまして。台湾の桃園出身の林冠臣です。よろしくお願いします!」
――幼少期のことから時系列に沿ってお伺いします。野球を始めたきっかけは?
「小学生の時に台湾のニュースで日本の甲子園を見ました。その時に『ここで野球がしたい!』と思い、野球を始めました」
――台湾に住んでいた時、日本のプロ野球に対してどういった印象をお持ちでしたか?
「正直、小さいときは日本のプロ野球への印象がありませんでした」
――日本へ留学する決断をした理由は何ですか? なかでも日南学園への進学を決めた理由は?
「私が通っていた中学校が日南学園とつながりがありました。せっかく日本の野球、甲子園に挑戦できるチャンスがあったので日本の日南学園に留学して野球をすることを決断しました」
――15歳で親元を離れて生活すること、異国で生活することで苦労が多くあったかと思います。日本で苦労したことは何ですか?
「最初に日本に来て苦労したことは言葉や文化、食べ物の違いに苦労をしました。特に納豆は大の苦手で、食べるのに苦労しました。今は苦手だった納豆が大好きです」
――高校、大学と日本で過ごしていますが、学生時代のチームメートは林選手にとってどのような存在ですか?
「日本に来たときは言葉が全くわからず苦労しましたが、友達が優しく教えてくれました。彼らに対して、とてもありがたい気持ちです。チームメイトはみんな優しくて、良き友人です。高校時代の友人とは今も連絡を取り合っています」
■「NPB入りできなければ、野球を辞める」
――NPB入りを意識したのはいつですか? CPBL(台湾プロ野球)入りは選択肢にありましたか?
「プロに行くことを意識したのは大学4年生からです。CPBL入りは意識せず、NPBに行くことだけを考えていました。NPB入りができなければ、野球自体を辞めることを決めていました。それだけ覚悟を持っていたので、ライオンズから指名されたときは本当に嬉しかったです」
――打撃で参考にしている選手は?
「体格(林選手は身長195センチ、体重105キロ)と長距離打者というスタイルが似ているのでニューヨーク・ヤンキースのアーロン・ジャッジ選手を参考にしています。目標となる選手です。彼の軽く振っている感じで遠くに飛ばすという技術はとても参考になりますし、それをイメージして練習に励んできました」
――NPBの舞台で台湾出身選手同士の対戦があることについてどのような思いがありますか?
「台湾から日本に来た選手は、投手も打者もみんな良い選手です。もしチャンスがあれば対戦してみたいです。台湾出身の全選手と対戦したいですが、特に対戦したいのはファイターズに入団する古林睿煬投手です。とても良い投手で簡単には打てないとは思いますが、対戦したら必ず打ちたいと思います」
――台湾ではパ・リーグの試合が2014年から11年継続して放映されています。台湾のご家族とご友人も林選手の活躍を見てくれると思います。最後に台湾と日本の日本プロ野球ファンへメッセージをお願いします。
「来年からNPBでプレーをします。1日でも早く、僕の顔と名前を覚えてもらえると嬉しいです! 一生懸命プレーするので、ぜひチェックしてください! 応援よろしくお願いします!」
終始、優しく、物静かに流暢な日本語でインタビューに答えてくれた。台湾で生まれ、日本で野球のキャリアを歩む林の今後の活躍にぜひ注目してほしい。(「パ・リーグ インサイト」竹林慎太朗)
(記事提供:パ・リーグ インサイト)
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