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台湾ドラ1の逸材に与えた“修行”…元虎戦士が球団に直談判「日本で学んで欲しい」

Full-Count / 2024年12月12日 18時45分

中信兄弟の平野恵一監督(左)と許庭綸【写真:木村竜也】

■中信兄弟のドラ1、許庭綸が「ジャパンウィンターリーグ」に参加している

 沖縄で開催されている「ジャパンウィンターリーグ」には台湾プロ野球(CPBL)からも選手が参加している。中信兄弟の許庭綸(キョ・テイロン)外野手は、今年ドラフト1位で指名され注目を集めている逸材だ。自国でもハイレベルなウインターリーグが開催されている中で、あえて日本を選んだ理由を聞いた。

 台湾は11月に行われたプレミア12で日本を破り、国際大会初優勝を飾るなど野球熱は年々高くなっている。そんな台湾で2024年シーズンを優勝した中信兄弟は、身体能力の高さに定評のある19歳をドラフト1位で獲得した。

 今季からチームを率いている元阪神の平野恵一監督は「魅力は3拍子揃っている事と、やはり伸び代ですね。体格は良いですがまだまだこれからです。今年のドラフトでは間違いなく1番の選手でした」と、絶賛する。

 まさかの指名だった。許は「3位くらいで呼ばれたらうれしいなと思っていたので、まさか1位で驚きました」と喜びを振り返った。

■平野監督が日本行きを推薦「学んで欲しい」

 プロ1年目のシーズンに向けて冬は、沖縄で開催されているウインターリーグに参加。ウインターリーグ自体は台湾でも行われており、日本からも多くのNPB選手や社会人選手が参加するなど、レベルだけで見れば台湾の方が高いと言えるだろう。それでもなぜ、日本のウインターリーグに挑戦したのか。

 球団に監督自ら“懇願”した。平野監督は「チームは台湾に参加させたがったのですが、私が日本を推薦しました。初めが肝心なので、台湾以外の世界を見て欲しかったんです。日本の野球や礼儀、取り組む姿勢を感じて学んで欲しくて」と、未来を見据えた理由を語る。

 来日してからは驚くことばかりだった。「選手たちの食べる量は多いですし、休日返上で練習をする選手の多さにも驚きました。台湾ではそこまで練習する選手はいません」と振り返る。そんな選手たちに触発されて、日々朝から夜まで野球一色の生活を送る。

 目標にしているのはドジャースの、ムーキー・ベッツ内野手と日本ハム・万波中正外野手。走攻守全てトップレベルを目指す若き才能は「将来は海外に挑戦してみたい」。異国に飛び込み、文化を学び、新たな価値観を身に着ける。険しい道を進む19歳の目には充実感が溢れている。(木村竜也 / Tatsuya Kimura)

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