1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. スポーツ
  4. 野球

野球初心者が陥る「肘だけ意識」の改善策は? 指導で理解したい投動作の“切り分け”

Full-Count / 2024年12月18日 11時28分

初心者が投球動作を身に付けるまでの「5段階」とは(写真はイメージ)

■東京農業大の勝亦陽一教授、野球スキルコーチの菊池タクト氏が投げ方を指導

 野球初心者へのピッチング指導には、能力の発達順番に応じた“動作の切り分け”が大切になる。野球育成技術向上プログラム「TURNING POINT」が17日、投げ方に悩む少年野球の選手、指導者たちに向けた5夜連続のオンラインイベント「投球指導week」を開催。投球指導に定評がある専門家・トレーナーが指導法や練習ドリルを紹介した。

 イベント2日目には、まず少年野球からプロ野球まで幅広く指導している東京農業大の勝亦陽一教授が登場。初心者・低学年向けの投げ方指導のコツを披露した。これまで多くの子どもたちを指導してきた勝亦教授は「子どもの動きは年齢経過に伴ってできることが多くなります。ですが、今はその“経験の量”が少ないので、動作が発達しきっていない子がいます」と指摘した。

 生まれてからボールを投げられるようになるまでには、5つの発達段階があるという。初めのステップはボールを「持つこと」と「離すこと」。次のステップは「肘関節を使う動作」「肩関節を使う動作」、そして「体幹(上肢の回転)を使う動作」、最後に「足(下半身)を使う動作」がくる。野球初心者の場合、肘関節の動きしか発達していないのに、肩関節や体幹の動きを飛ばして下半身の動きを教えてしまうことがあるため、ダーツを投げるように、肘が先行して前に出る投げ方になってしまうという。

 適切な投球動作の習得のために、上肢、体幹、下肢の3つの部位に分けてトレーニングを行うのが良いという。例えば上肢を養う練習法として、手のひらを下に向けボールを持ち、肘を曲げ、腕を持ち上げながらボールを離し、頭の位置のところでボールをキャッチする。そうすることで腕がトップの位置まで上下し、自然に投げる動作に繋がっていく。


ドリルを実演する勝亦陽一教授(右)と菊池タクト氏【写真:編集部】

■小さなテークバックは送球が弱くなることも…グラブと投げ手の“距離”をとることが必要

 他にも様々なドリルを紹介した勝亦教授は「小さい子に大事なのはできるだけ力感なく、いいボールを投げること。筋肉、体が硬くならずリラックスして楽しくできる環境を大人が作っていくこと。そうなれば必ず上手くなっていきます」と、エールを送った。

 そして、第2部には米国でコーチングを学んだ野球スキルコーチの菊池タクトさんが、送球に特化したスキルアップ講座を行った。投げ手をL字(90度)にしてトップを作る「ビハインドトス」など、内野手に必要なスローイングを身振り手振りで指導した。

 野手のスローイングというと小さなテークバックを想像してしまうが、「モーション自体が小さくなると、送球(ボール)が弱くなり、スローイングまでの準備が短く、握り替えや腕の振り方も悪くなる」と指摘。握り替えの後はグラブと投げ手の“距離”をとることで、強い送球を生み出すことができるという。

 野球初心者から上級者までの送球指導を行った2人の考えは共通している。「最初の段階である程度、学んでいかないと高校生まで引きずってしまう。年齢を重ねるごとに改善するのは難しくなるので、早い段階から正しい基礎を身に付けてほしい」。選手や指導者の“送球の悩み”を解決する「投球指導week」は20日まで開催される。(First-Pitch編集部)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください