“怪物小学生”が衝撃の2打席連発 憧れはタティスJr.…元プロ監督も絶賛「ビックリ」
Full-Count / 2024年12月27日 8時28分
■攻撃型2番打者「僕の好きな選手も2番なので、うれしいです」
“怪物小学生”が現れた。「NPB12球団ジュニアトーナメントKONAMI CUP 2024~第20回記念大会~」が26日、神宮球場とベルーナドームで開幕した。神宮の第1試合では、東京ヤクルトスワローズジュニアと中日ドラゴンズジュニアが対戦。ヤクルトジュニアの向(むかい)将吾選手(6年)が1、2打席目にいきなり連続本塁打を放った。
微塵の迷いもなかった。「2番・三塁」で出場した向選手は1点ビハインドの初回、初球がボール気味ながら真ん中に浮いたところを振り抜いた。打球は両翼70メートル、中堅80メートルの位置に設定された仮設ネットを軽々と越え、逆転2ランとなった。大会初打席の緊張もどこ吹く風。「楽しみやワクワクの方が勝っていました」と振り返った。
続く2回にも、無死二、三塁の絶好機で右打席に立つ。ちょうど相手投手が2番手に代わったが、またも迷うことなくカウント1-0からファーストストライクの外角高めの球を左中間のホームランエリアへ放り込んだ。「好きな球が来ました。外角は得意です。(ヤクルトジュニアの)三輪(正義)コーチからは『外の球も引っ張って、ホームランを打て』と言われています」とうなずく。チームの首脳陣も、右の長距離砲の特長を存分に伸ばしてきたことがうかがえる。
普段の所属チーム(軟式少年野球チームの千葉・高柳サンダース)では、ウレタンを用いた“高反発バット”を使っている(来年からは学童の公式戦でも禁止)が、その使用が禁止されている今大会でも、圧倒的なパワーに変わりはない。向選手の2ラン、3ランで勢いづいたヤクルトジュニアは結局、8-1の5回コールド勝ちを収めた。
メジャーリーグ流の“攻撃型2番”である。「僕の好きな選手も2番なので、うれしいです」。“好きな選手”というのは、MLBパドレスのフェルナンド・タティスJr.外野手だという。パドレスは今年のナ・リーグ地区シリーズで、大谷翔平投手らを擁するドジャースと死闘を繰り広げた末に2勝3敗で敗退したが、同じ右打ちで25歳の若きスターであるタティスJr.に、心を奪われているようだ。
■度会監督は「山田哲人のような選手になってねと伝えています」
確かに、バットをグリップエンドいっぱいに長く持ち、左足を高く上げる、メジャーリーガーを思わせる豪快な打撃フォームだが、タイミングを大きく崩されることはない。普段から「投手が足を上げた時に、自分も足を上げて打つ」練習を繰り返し、家でもシャトル打ちに取り組んできた成果だという。
これには、現役時代に中日、ロッテ、横浜(現DeNA)で中継ぎ投手として活躍した中日ジュニア・山北茂利監督も「マークはしていたのですが、僕の印象を超えていました。あれほど初球から振れてミスショットなく、しっかりとらえるとは……。びっくりしました」と脱帽するしかなかった。
一方、ヤクルトジュニアの度会博文監督は「(向)将吾には『山田哲人のような選手になれるように、頑張ってね』と伝えています。打てる上に、足も速く、どこでも守れる選手です」と言う。実際、9つのポジションを全てを高いレベルで守れる。「以前は捕手でしたが、最近はサード、ショートを守ることが多いので得意です」というのが向選手本人の弁だ。
衝撃的な“全国デビュー”を演じたが、潜在能力は底知れず。どんな形で伸びていくのだろうか。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)
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