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元プロ絶賛「指先感覚長けている」 大舞台で四球ゼロ…“最速112km女子”の圧巻投球術

Full-Count / 2024年12月27日 7時50分

オリックスジュニアの山西紅莉【写真:加治屋友輝】

■オリックスJr.の山西紅莉投手…大会初戦先発を託され「試合を壊さない」能力証明

“逸材”女子選手が男子選手顔負けの投球を披露した。全国から選りすぐりの小学5、6年生が集う「NPB12球団ジュニアトーナメントKONAMI CUP 2024 ~第20回記念大会~」が26日に開幕。オリックス・バファローズジュニアの山西紅莉(あかり)投手(6年=門真TKS.jr)は初戦の先発マウンドを託され、千葉ロッテマリーンズジュニア打線相手に4回3安打無四球無失点の快投をやってのけた。特筆すべきは制球力。53球を投げてボール球は14球にとどまり、3ボールには一度もならなかった。

 オリックスジュニアは「セノッピー presents 第21回オリックス・バファローズCUP2024少年少女軟式野球大会」に参加した287チームから精鋭16人を選抜。女子選手は2人おり、そのうちの1人が山西さんだ。山西さんは、今夏の「NPBガールズトーナメント2024全日本女子学童軟式野球大会」では大阪府選抜・大阪ベストガールズのエースを務め、優勝に貢献している。

 初戦から9-0、5回コールドの快勝スタート。オリックスジュニアの塩崎真監督は、大事な初戦で山西さんを先発起用したことについて「奇策でも何でもありません」ときっぱり。「チーム結成から3か月、彼女の投げる試合が壊れたことがない。3か月間の経験と結果を踏まえて、しっかり勝ちにいって選んだ先発投手です」と胸を張った。

 約2年前から山西さんの存在を気にかけていたといい、特に制球力は目を見張るものがあった。塩崎監督は「(制球力を)技術的に教えてあげるのは簡単ではない。本人の体のバランス、指先の感覚が人より長けているんでしょうね」と目を細める。この日は期待通りの投球となり、「立派です。すごい」と賛辞を贈った。


「打撃もすごい選手になりたい」と意気込む【写真:加治屋友輝】

■打撃面で男子と差も…逆境はねのける“投球術”と“強心臓”

 当の本人は「(初戦の先発を)任されると思っていなかったので、めっちゃ緊張しました」。それでも初回に4番・北口翔大選手の先制2点本塁打が飛び出すなど打線の援護に恵まれたこともあって、徐々に緊張がほぐれ、平常心を取り戻した。

 最速は112キロで、この日はほとんどが100キロ台。三振を量産できるような剛速球を持つわけではないものの、いとも簡単に追い込んで相手に思い通りの打撃をさせない投球術は圧巻だった。奪った12のアウトの内訳は10がフライアウト、2がゴロアウト。持ち前の打たせて取る投球が光った。

 小学1年生から2歳上の兄の影響で野球を始め、投球練習には小学3年生の頃から熱を入れるようになった。投げ込むうちに感覚をつかみ、制球力という最大の武器を手に入れた。男子選手とは打撃面で力の差を感じているが、「チームメートのバッティングがすごいので安心して投げられる」と味方打線に信頼を置く一方、男子の打者と対戦する際は「怖さは感じない」という。大舞台を経験する中で身に付いたマウンドでの強心臓ぶりも魅力の1つだ。

 将来の夢は女子プロ野球選手。「コントロールが良くて球も速くて、バッティングもすごい選手になりたい」と意気込む山西さんは、まずは今大会でオリックスジュニアを2007年以来の優勝に導く。(川浪康太郎 / Kotaro Kawanami)

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