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鳴かず飛ばずで戦力外→日韓で躍進→逆輸入 元燕助っ人が34歳で掴んだメジャーでの成功

Full-Count / 2025年1月1日 20時30分

オリオールズのアルバート・スアレス【写真:Getty Images】

■元ヤクルトのスアレスが語る日韓時代

 実に8年ぶりの大舞台だった。オリオールズのアルバート・スアレス投手は昨季、メジャー自己最多32試合に登板し、9勝7敗、防御率3.70の成績を残した。34歳にして手にしたメジャーでの成功。「戻ってこられてうれしい。復帰のために一生懸命努力したからね」と喜びを噛み締める。

 4月22日(日本時間23日)の敵地・エンゼルス戦。6回途中無失点で勝ち投手になった。ジャイアンツ時代の2016年6月23日(同24日)以来、実に2860日ぶりの勝利。最終的には9勝を挙げ、先発、リリーフで怪我人続出の投手陣を支えた。

 ベネズエラ出身で2006年にレイズとマイナー契約。複数球団を渡り歩いたが、鳴かず飛ばずで2018年にダイヤモンドバックスからDFAに。同年12月にヤクルトと契約を結んだ。ただ、弟のロベルト・スアレスが先にソフトバンクに加入していたこともあり「弟が先にプレーしていて色々教えてくれた」と不安はなかった。

 ヤクルトでは1年目はわずかに4登板。2年目は12試合に先発登板だったが、4勝4敗、防御率2.67と好成績をマークし、3年目のシーズンとなった2021年には先発、リリーフで日本一に貢献。オフに退団し、KBOへ。しかし、2023年途中に負傷し8月に退団となったが、オフにオリオールズとマイナー契約。メジャー昇格して、今の地位を掴み取った。

■日本で役になったトレーニング「打撃や投手の経験を積めた」

 日本、韓国で過ごした5年間は「打撃や投球の経験を積むのに役立ったと思う。僕は、それがメジャー復帰の役に立った」と振り返る。中でも2021年の日本一は別格。「2021年はスワローズが優勝して最高の経験ができた」と笑顔を見せる。

 今でも日本での思い出はきのうの出来事のように鮮明に思い浮かべる。「電車に乗ったり、富士山に行ったりね(笑)。よかったよ」と笑う。また、日本でのトレーニングは今でもルーティンに。「身体がほぐれて体にもとても役に立ったので、気に入っているんだ」と明かす。

 昨季は弟のロベルトもパドレスで65試合に登板し9勝3敗、36セーブをマーク。ともにプレーオフ進出に貢献した。「弟が(メジャーに)戻ったとき、僕も『よし、調整してメジャー復帰を目指してみよう。2人そろってメジャーにいられるように』と。それで、そうした」。後を追って、兄弟でメジャーの夢を叶えた。(川村虎大 / Kodai Kawamura)

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