戦力外→オファーなく引退「複雑」 打撃投手から“異例の現役復帰”を決めたワケ
Full-Count / 2025年1月8日 7時10分
■オリックスで打撃投手を務めた久保氏が“現役復帰”
輝く舞台に、再び戻る。2024年にオリックスで打撃投手を務めた久保拓眞氏が“現役復帰”を果たす。オリックスを1年で退団し、2025年からは関西独立リーグの堺シュライクスに入団。「やるからには一生懸命に。結果がどうなろうと、もう1度プロの世界に挑戦したい。真摯に向き合っていきたい」と力を込める。
久保氏は2018年ドラフト7位でヤクルトに入団。入団1年目から16試合に登板した。2022年には29試合登板で1勝7ホールド、防御率2.70を記録し、日本シリーズでもマウンドに上がった。ヤクルト在籍は5年で計60試合のマウンドを経験した。
2023年オフに戦力外通告を受け、12球団合同トライアウトに参加。打者3人に対して2つの三振を奪ったが、NPB球団から選手としてのオファーは届かず、オリックスにアシスタントスタッフとして入団した。
決断は早かった。「3月にオープン戦で福岡へ行った時に両親と食事をして……。心を決めましたね」。母親から『もう1回、野球をしているところが見たい』と言われたんです。怪我もしていなかったので『やるか!』という気持ちになりました」。
日々、打者に向かって投げる中で覚悟が芽生えた。「オリックスの雰囲気がめちゃくちゃ好きだったんです。なんか、みんな野球が楽しそうでした。そう思ったくらいに決断しましたね」。小学3年生で野球を始めた頃の気持ちを思い出した。
1度は現役生活に終止符を打っただけに「複雑でしたね。まだできると思う反面、これがプロの世界だなと。(気持ちは)半々でしたね」と振り返る。戦力外を受けた際には「やるならばプロの世界でやりたかった。オファーがなかったので、それだったら区切りをつけようと思ってました」。諦めきれなかった理由もある。
「打撃投手で少し遠慮して投げていたら、バッターのタイミングも崩れてしまうことがわかったんです。選手の時から、もう少しタイミングの外し方を変えながら投げたらバッターは嫌だったのかなと感じました」
まだ28歳。自身の道を切り開くため、懸命に腕を振る。(真柴健 / Ken Mashiba)
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