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一流投手推奨「プロもやっている」 投球を力強く…体幹強化もできる“体重移動ドリル”

Full-Count / 2025年1月8日 7時50分

野球教室に参加した中日・涌井秀章【写真:内田勝治】

■中日・涌井秀章が野球教室に参加…少年野球に役立つ投球ドリルを小学生に伝授

 特別なことをやったからプロになった訳ではない。地道な基礎練習をコツコツと反復してきたからこそ、一流投手にまで登り詰めることができたと自負している。中日の涌井秀章投手が、昨年12月上旬に東京・西東京市の早大・安部球場で行われた「GRAFARE(グラファーレ)ジュニア野球教室」(タクトホーム株式会社主催)に講師役として参加。「どんなトレーニングをしていますか?」などの疑問を持つ小学生球児たちに向けて、ピッチングの力強さ向上につながるドリルを伝えた。

 NPB唯一となる3球団で最多勝に輝いた経験を持つ現役の大投手が、普段どのようなトレーニングをしているのか、この日集まった約170人の子どもたちは興味津々の様子だった。涌井は「同じことを毎日練習して積み重ねることで、体の使い方が分かってくる」と持論を展開。それも、ただ続けるのではなく、「鍛える箇所にちゃんと意識を持つこと」が大切だという。

「例えば体幹トレーニングをやる時も、鍛えたい箇所に意識を置いてやることで、次の日にそこだけ筋肉痛になるのが理想です。長い時間やっても意味はないし、ちゃんとしたフォームで、しっかりとその部位を鍛えるんだという意識を持ってください」

 そこで涌井は、小学生でも取り組めるドリルを自ら実演。右投手であれば軸足となる右足(左投手ならば左足)で立ち、かかしのように両手を横に広げる。そして前に向かってジャンプし、左足(左投手は右足)で着地するというものだ。この動きを繰り返すことで、ピッチングの際の体重移動がスムーズになる。わずかなスペースがあれば手軽にできるのも魅力だ。

 軸足でしっかりとジャンプし、着地足1本でピタッと体を止めるのがポイント。「これは投げる時の着地の練習ですが、プロ野球選手もやっています。着地した時にグラグラしないように、ちゃんと足の裏で地面をつかんでください。この練習をしていくと(着地足が)ズレなくなり、もっと力強い球を投げることができます」


ドリルを実演する涌井【写真:内田勝治】

■“手投げ”になってしまう子どもには「反動を使って体を大きく」

 育成世代の中には、下半身がうまく使えずに、どうしても“手投げ”になってしまう投手もいる。そんな時は、反動を利用して投げることがお勧めだという。

「例えば、前から転がしてもらったボールを走って捕って、反動を使って投げることで、体全体を使うことができます。止まったところからスタートするのが難しいのであれば、反動を最初に入れてあげると、手投げではなくなってきます」

 20年間のプロ生活で培ったノウハウを、子どもたちの目線に立ち、わかりやすく伝授。最後の挨拶では「今、38歳ですけど、50歳までやることが目標なので、プロで待っています」と、参加者全員にエールを送った。一流の教えを持ち帰り、しっかりと継続した先に、“涌井先生”と同じプロの舞台が子どもたちには待っている。(内田勝治 / Katsuharu Uchida)

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