石川柊太が示した支配的「1.90」 FA移籍で本拠地は相性抜群…期待される“追い風”
Full-Count / 2025年1月9日 18時0分
■キャリア通算防御率3.32…8年間で4点台は1度だけという安定投球
2024年12月11日、ロッテが石川柊太投手の入団を発表した。2020年に先発として最多勝と最高勝率の投手2冠に輝いた実績を持つ右腕の獲得は、ポスティングを申請した佐々木朗希投手の穴を埋めることが急務となっているチームにとって、非常に大きな補強となり得る。今回は、セイバーメトリクスで用いられる各種の指標をもとに、石川柊が持つ特徴と強みを紹介。ZOZOマリンスタジアムとの抜群の相性についても実際の数字をもとに確認する。
石川柊はキャリア通算の防御率が3.32、4点台以上の防御率を記録したのは8年間で1度だけと、ほとんどのシーズンにおいて防御率3点台以下と安定した投球を披露してきた。また、1軍デビューを果たした2017年に投球回を上回る奪三振を記録したことを皮切りに、奪三振率が8.00を上回ったシーズンが4度存在し、通算の奪三振率も7.80と一定以上の水準にある。
与四球率に関してもキャリア通算が3.45、与四球率が4点台以上となったシーズンも2度のみと、制球面がネックとなるタイプの投手ではないことがわかる。直近2シーズンは与四球率が投球に与える影響の大きさが示されている点も特筆すべきポイントだ。2023年の奪三振率は8.52とキャリア平均を上回っていたが、与四球率に関しては4.37と悪化。この数字が投球内容に作用した部分は大きく、防御率が4.15、1イニングごとに出した走者の平均を示す「WHIP」が1.34と、いずれもキャリアワーストの数字に終わっていた。
その一方で、2024年の奪三振率は7.39とキャリア平均を下回ったものの、与四球率は1.71と、2試合の登板に終わった2019年を除けばキャリア最高の数字を記録。その結果、防御率は2.56、WHIPは0.99と、ともに投手2冠に輝いた2020年に匹敵する優秀な成績を残した。制球力や投手としての能力を示す「K/BB」も4.33を記録し、一般的に優秀とされる3.50を大きく上回る水準に到達。直近のシーズンにおいて示した投手としての進化が、新天地でも継続されるかが注目されるところだ。
■ZOZOマリンスタジアムではキャリア通算7勝1敗、7連勝中
次に、本塁打を除くインプレーとなった打球が安打になった割合を表す、「被BABIP」という数字について見ていきたい。被BABIPは投手自身にコントロールできる要素が少なく、運に左右される部分が大きい指標であると考えられている。石川柊のキャリア平均は.258と、一般的な基準値と考えられている.300を大きく下回っている。しかし、2021年以降は4年連続でキャリア平均を上回り、キャリア初期に比べてやや運に恵まれなくなっていることが示唆されている。
そして、2024年の被BABIPは.270とキャリアで2番目に高い数字だったものの、防御率やWHIPの改善をはじめ、さまざまな指標で優秀な成績を記録した。被BABIPがキャリア平均を上回るシーズンにおいても好投を見せた点は、今後に向けても明るい材料と考えられる。
続いて、ZOZOマリンスタジアムでの年度別投手成績を見ていきたい。キャリア通算で7勝1敗、2018年以降は7連勝を継続中であることに加えて、通算防御率も2.47と優秀だ。2024年までは登板機会が比較的少ないビジター球場でありながら、無類の相性の良さを誇っていることが数字にも示されている。しかし、意外にもZOZOマリンスタジアムでのキャリア初登板となった2017年8月8日の試合では、3回1/3を自責点6と打ち込まれていた。しかし2018年には早くも球場の特性に適応して登板した3試合全てで白星を挙げ、それ以降は負け知らずの投球を続けている。
さらに参照する数字を2018年以降に限定すると、7年間で防御率1.90とまさに支配的と呼べるレベルまで数字が向上。防御率4.61と例年に比べて苦戦した2021年を除く5シーズンはいずれも防御率2点台以下と、コンスタントに好投を見せてきた点も頼もしい要素だ。
■直近3シーズンの奪三振率は9.06と抜群の水準
通算の球場別奪三振率は7.85とキャリア平均をわずかに上回る水準だが、こちらも参照する数字を2018年以降に限定すると、奪三振率8.07とさらに数字が上昇する。球場の特性でもある独特の風によって得意球のパワーカーブの切れ・落差がともに増すことにより、奪三振能力も普段以上に高まっていることがわかる。直近3シーズンは50.2イニングで51奪三振と投球回を上回る三振数を記録し、奪三振率も9.06と抜群の水準に達する。投球内容が年を経るごとに進化を遂げている点も、石川柊の球場に対する適応力を表す要素の一つだ。
とりわけ、2024年は3試合で12イニングを投じて11奪三振を記録し、与四球はわずかに1、自責点は0と圧倒的なピッチングを展開していた。これだけの投球を見せつけた球場が本拠地となる2025年シーズン、石川柊投手がどのような投球を披露するかは見ものだ。
ロッテが近年においてFAで獲得した先発投手である涌井秀章投手と美馬学投手は、いずれも移籍後に2度の2桁勝利を記録してローテーションを支える存在となった。石川柊も新天地で活躍を見せ、先発陣の中心的存在となる可能性は十二分にあるだろう。相性抜群の球場で文字通りの“追い風”を受け、先発投手としてさらなる飛躍を果たせるか。育成契約から這い上がって投手2冠に輝いた右腕が、新天地で迎えるプロ12年目のシーズンに見せる投球は、ファンならずとも興味深いものとなってきそうだ。(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)
(記事提供:パ・リーグ インサイト)
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
数字で見る朗希の凄さ 直球は大谷以上&フォークは千賀級…MLBで成功する可能性は
Full-Count / 2025年1月7日 20時49分
-
東京でドジャースと対戦するカブス リリーフ左腕が手薄、ベテランのシールバー獲得も対大谷は4打数2安打
スポニチアネックス / 2025年1月1日 10時23分
-
初タイトル獲得…西武26歳が見せた変化と進化 キャリアハイの9.71、解消された“悪癖”
Full-Count / 2024年12月23日 20時21分
-
異国で躍動…巨人195センチ左腕は「ポテンシャル凄い」 大舞台で快投「期待しかない」
Full-Count / 2024年12月16日 7時50分
-
“世界にバレた”巨人20歳が「エグイな」 異国で漂う覚醒の兆し「めちゃくちゃいい」
Full-Count / 2024年12月15日 7時40分
ランキング
-
1「佐々木朗希の必要度ランキング」ドジャース最下位の衝撃…投手復帰の大谷含め、先発候補はゴロゴロいる
日刊ゲンダイDIGITAL / 2025年1月9日 11時32分
-
2大学駅伝の監督交代が続出 箱根連覇の青学大・原監督「大学は厳しい。結果が出なければすぐにクビに」
スポーツ報知 / 2025年1月9日 16時0分
-
3【F1】角田裕毅の実力を専門メディアまさかの酷評「安定しているがめったに衝撃を与えない」
東スポWEB / 2025年1月9日 20時52分
-
4日本ハム新庄剛志監督「本音」にファン「共感しかない」 ソフトバンク入り上沢直之に「すごく悲しい」
J-CASTニュース / 2025年1月9日 11時45分
-
5J通算162得点のレジェンドが古巣復帰「激アツ展開」 引退で新たなキャリア「すべては鳥栖のために」
FOOTBALL ZONE / 2025年1月9日 17時29分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください