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球速アップへ「腕を力いっぱい振る」は誤解 最速150キロ超を実現する“2つの部位”

Full-Count / 2025年1月10日 7時5分

ロッテ・岩下大輝の投球フォーム【写真:イワモトアキト】

■ロッテ・岩下大輝が地元・石川の野球教室で小学生に“球速向上のコツ”を伝授

 速い球を投げるには「腕を振る」のではなく、「腕を振られる」感覚が重要になるという。最速153キロを誇るロッテ・岩下大輝投手が12月28日、地元・石川県の野球イベントに参加。少年野球チームに所属する子どもたちに速い球を投げるコツを伝授した。

 岩下が野球教室で講師役を務めたのは、地元・石川県で開催された「Go!能登 野球応援プロジェクト」。能登半島地震の被災地を野球で元気付けるイベントで、石川県で生まれ育ち大阪桐蔭で甲子園春夏連覇を成し遂げた水本弦さんが経営する「Ring Match」が主催した。岩下の他にも、ロッテ・角中勝也外野手、楽天・島内宏明外野手、ヤクルト・北村拓己内野手も趣旨に賛同して参加した。

 投球の指導を担当した岩下は、子どもたちに「速い球を投げる方法」と「コントロールを良くする方法」のどちらを知りたいか質問した。多数決の結果、「速い球」に決まると、小学生に多い誤解について説明した。

「速い球を投げようとすると力いっぱい腕を振ろうとしますが、力を入れるのは“お腹とお尻周り”だけです。腕には力を入れません。速い球を投げるには、力の抜き方が大事になります。腕を振るのではなく、振られる感覚をどれだけ身に付けられるかがポイント。腕が遅れて出てくるイメージです」


小学生に体重移動のコツを伝える岩下【写真:間淳】

■体重移動の際に「頭の位置を動かさないように注意」

 腕が遅れて出てくる感覚をつかむためには、体重移動が重要になるという。岩下は実際の動きを見せながら、子どもたちに解説した。

「右投手であれば、左足を上げて右足に体重を乗せ、左足をステップして右足から左足に体重を移します。この時、頭の位置を動かさないように注意して、右の腰を前に押し出すように体重移動するのがコツです。最初は地面と平行になるように両手を広げて、右足1本で立ってから、右腰を前に押し出すと感覚がわかりやすいと思います」

 子どもたちから「どんな球種を持っていますか?」と質問されて、「基本的には真っすぐとフォークだけです。球種が2つしかないと、ゲームだと使いづらいよね」と答えた岩下。2つの球種でもプロで10年間プレーできているのは、落差の大きなフォークに加えて、150キロを超える直球が武器になっているから。打者をねじ伏せる速球は、決して力いっぱい腕を振っているわけではない。(間淳 / Jun Aida)

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