新球種ゲットでオリ育成24歳に覚醒の気配 異国で積んだ鍛錬…習得した“アクセント”
Full-Count / 2025年1月17日 7時40分
■オリックス・育成の芦田、新球種カーブで狙う先発枠
オリックス・育成2年目の芦田丈飛投手が、台湾でのウインター・リーグで広げた投球の幅を生かして支配下選手登録を目指している。「今まで投げていなかったカーブを試したら、他の球種も効いてきて、結構楽に投げることができるようになりました」。キラリと目を輝かせた。
芦田は英和高(千葉)、国士舘大、社会人オールフロンティアを経て独立リーグ、ルートインBCの埼玉武蔵ヒートベアーズに入団。2023年は38試合に登板し、最速152キロのストレートと鋭く落ちる変化球を武器に抑えとして39回1/3を投げ38奪三振、防御率3.20でチームの南地区リーグ優勝に貢献した。
2023年育成ドラフト4位で入団したオリックスでは、当初、中継ぎとして登板していたが、チーム事情で5月中旬から先発でも起用されるようになった。本格的な転向の決め手となったのは、先発3試合目となった昨年6月12日の阪神戦(鳴尾浜)。5回を90球で3安打、無失点。大山悠輔内野手ら5者連続を含む10奪三振でアピールしてチャンスをつかんだ。
決め球はストレートを軸に、ツーシームとスライダー。鋭く落ちるツーシームは空振りが取れると同時に、ゴロで打ち取れる“伝家の宝刀”だ。2年目に支配下選手登録を目指すための取り組みが、シーズンオフから始まった。平井正史育成投手コーチのアドバイスでフェニックス・リーグでは「インコースの狙ったところをどれだけ突けるか」とのテーマを胸に登板した。
「右打者、左打者に関係なく、真っすぐも変化球もインコースに投げ込むことでコントロールもつきました。インコースに投げれば投げるほどツーシームも効いてきましたし、左打者にも外のツーシームのイメージがあるので、スライダーも生きてきました」
■平井育成コーチ「先発で長いイニングを投げるためにあって損はないボールです」
引き続き実戦の場となった台湾でのウインター・リーグでは、それまで投げていなかったカーブに着手したことで、さらに投球の幅を広げることにつながった。先発した3試合で11回を9安打6奪三振、3失点。「左打者へのカウント球はスライダーが多かったのですが、結果を気にせず投げたカーブでストライクが取れました。ツーシームと真っすぐも効いてきて、結構、楽に投げることができたんです」。腕を振って少し抜けたような軌道で打者の目線を変えるようなカーブ。残った数字以上に得たものは大きかった。
アドバイスを送った平井コーチは「やっぱり、緩急ですね。先発で長いイニングを投げるためにあって損はないボールです。大胆に使えればアクセントになりますし他の球も生きてきます。1つの打席で1球、イニングで1球投げるだけでも打者のイメージは変わってきます。1球見せるだけで違うイメージになるので、カーブというのは特殊な球だと思います」と狙いを語る。
芦田も手応えを感じている。「カーブを使うことで次の球で打ち取れますし、球数を少なくすることができます」。アピールできる宮崎春季キャンプでの実戦が待ち遠しい。(北野正樹 / Masaki Kitano)
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