甲子園常連でも…キャッチボールは「できていない選手多い」 鉄壁守備築く“冬の原点回帰”
Full-Count / 2025年1月27日 7時50分
■兵庫・報徳学園の野手陣がオフシーズンに重視するキャッチボールのポイント
オフシーズンだからこそ、一から見直し徹底する。高校野球の名門、兵庫・報徳学園では冬の猛練習で、野球の基本ともいえる「キャッチボール」を重要視。これまで、鉄壁の守備を築き上げてきた宮崎翔コーチは「毎日やるからこそ下手にもなるメニュー。本当にチームの文化を根付かせるためには1年かかる」と、理由を説明する。少年野球にも役立つポイントを紹介する。
報徳学園は2年連続で選抜準優勝を果たし、昨夏の甲子園にも3季連続出場した名門校。個々の能力が高く、ハイレベルな練習を行っているように見えるが、冬場に取り組んでいるのは“地味”なトレーニングだ。ウオーミングアップを終えると、首脳陣がナインを集めキャッチボールの大切さを身振り手振りで伝える。
まずは「足の向き」から。投球・送球時に体が開かないよう、軸足はつま先から入るのではなく、土踏まずを投げる方向に向ける。そうすると、右投げの場合は左肩がしっかり内側に入るため、強い送球が生まれる。さらに、捕球の際はグラブを体の中に収め、握り替えの際も、送球する方向など“次のプレー”を意識して体を動かしていく。
報徳学園の野手陣のキャッチボールの様子【写真:編集部】
高校球児ならできて当たり前の内容に思えるが、宮崎コーチは「できていない選手の方が多い」と指摘する。
「ノックや打撃は興味があり自分たちでやりますが、ウオーミングアップやキャッチボールは“流れ”でやりがちです。ですが、ここを全力でできないと絶対に上達はしません。基礎を大切にできる選手は成長のスピードも早いです。センスの良い選手は確かにいますが、持続することができるのもセンスの1つだと思っています」
野球部の専用球場はなく、練習場所は校内のグラウンド。他の部活と共同で使用するため練習環境は決して恵まれたものではない。高校野球は2年半。限られた時間と環境のなかで、いかに全国で通用するチームを作ることができるか。甲子園で春夏計3度の優勝を誇る名門校でも野球の“基礎”を一番大切にしている。(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)
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