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花巻東が“一変” 巨人コーチの血を受け継ぐ長距離砲も…「新しい戦いが見せられる」

Full-Count / 2025年1月25日 10時7分

選抜出場を決めた花巻東ナイン【写真:佐々木亨】

■右の大砲を揃えたニュースタイルで2022年以来の春切符

 イメージを打ち破り、春の聖地に帰る。3月18日に開幕する第97回選抜高校野球大会の出場校を決める選考委員会が24日に大阪市で行われ、花巻東(岩手)が3年ぶり5度目の出場を決めた。佐々木洋監督は「新しい戦いが見せられると思う」と語った。

 新基準のバット、いわゆる「飛ばない」バットが高校野球に導入されたのは昨年から。甲子園の戦いでも目に見えて本塁打数は減り、その対応に苦労する高校は多かった。その中で、昨秋の東北大会4強だった花巻東は、冬場の練習でもともとあった攻撃力をさらに磨いた。佐々木洋督は言う。

「旧規格のバットを使っているんじゃないかと思うぐらい『飛ばそう』と言って、選手たちは冬の練習をしてきました」

 指揮官となって20年以上が経つ佐々木監督ですら「監督になって経験がないぐらいに、右の大砲が多い」と言う強力打線だ。昨夏の甲子園でも4番を担った古城大翔(ふるき・だいと)内野手は、巨人コーチの茂幸氏を父に持つ右の長距離砲。「選抜までに、持ち味の長打力、スイングスピードを上げていきたい」。同じ1年生で左投げ右打ちの“異色の二刀流”である赤間史投手兼外野手も、この冬にさらに成長。「甲子園のセンターバックスクリーンにホームランを打ちたい」と意気込む。

「打撃に深みに出てきた」。佐々木監督がそう評する古城を筆頭とした右の大砲たちが磨く打力は、これまでの花巻東のイメージをガラッと変えるのだ。

■変化を恐れず、進化したスタイルで目指す7年ぶり勝利

 2012年の選抜大会に出場した大谷翔平(ドジャース)がいた時代もそうだった。これまでは左打者を多く揃える打線が“花巻東ブランド”とも言えた。「左打者8人で甲子園に出場した年もあった」とは佐々木監督。小技も生かしながら、機動力で相手を揺さぶる攻撃が、まったくなくなったとは言わない。だが、そこに新たな力が加わったのは確かだ。指揮官は言う。

「浜風(ライト方向からレフト方向へ吹く風)のある甲子園で勝つためには、右打線だな……とは思っていました。今は自分自身、『監督が変わった』みたいなイメージでチーム作りをしたいと思っています」

 さらに「その時の選手を見て、監督の戦い方も変えるべきだと、最近は思ってきた」とも言う。

 監督が変わらなければいけないーー。ニュースタイルで挑む選抜大会に、佐々木監督自身も胸を躍らす。甲子園は春夏、または夏の連続出場はあったが、冬を跨ぐ“夏春”の連続出場は同校初だ。

「攻撃力は楽しみなんです」。激変した野球スタイル、持ち味を最大限に出して、花巻東は2018年以来の選抜勝利を目指す。(佐々木亨 / Toru Sasaki)

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