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ロッテ監督就任も「お前じゃない」 ファンから痛烈野次…幕張に漂った“不穏”な空気

Full-Count / 2025年1月27日 7時10分

ロッテ監督時代の西村徳文氏【写真提供:産経新聞社】

■西村徳文氏は2010年にロッテ監督に就任…3位から下剋上日本一を達成

 ロッテ一筋16年間プレーし、首位打者や盗塁王に輝いた西村徳文氏は、現役引退翌年の1998年から指導者に転身した。内野守備走塁コーチ、外野守備走塁コーチ、ヘッドコーチなどを歴任し、2010年からは監督に就任。しかし2009年はボビー・バレンタイン監督の去就を巡りチームとファンが対立して大騒動となっていただけに、前途多難の幕開けだった。

 2009年は、シーズン序盤から多くの“後任候補”の名前がメディアで報じられた。もちろん西村氏の名前もあった。夏頃には球団側から打診があり「選手、コーチでずっとお世話になった球団。監督までできたらいいなというくらいにしか思っていなかったですが、お話をいただいたときは迷うことはなかった。ボビーの後で大変なことがあり、どうやって解決していこうかというのはありましたが、わかりましたと返事をさせていただきました」と誇りを胸に快諾した。

 しかしシーズン終盤の外野スタンドは異様だった。「自分のこともいろいろ言われて。『ボビーの後、お前じゃないだろう』とか。結構辛かったですね」。突き刺さる声に心を痛めた。「2009年はフロントとファンの人たちがバラバラになった年。何をやらないといけないかが明確に出た」と、2010年のスローガンに「和」を打ち出し、現場とフロント、ファンが一体となって勝つことを目指した。

 指揮を執った2010年、リーグ戦は3位ながらクライマックスシリーズを勝ち上がり、日本シリーズでロッテ時代の先輩でもある落合博満監督が率いる中日を4勝2敗1分けで下し、“下剋上日本一”を成し遂げた。監督就任1年目での日本一は、史上9人目の快挙だった。

■重視した雰囲気づくり…ベンチでは「どんな場面でも表情を変えない」

 この年、ベンチで意識していたのが「どんな場面でも表情を変えないこと」だった。選手時代、ミスをすれば真っ先に監督やコーチの顔色を伺う同僚たちをよく見ていたからだ。「そういう部分もチームのいい雰囲気につながっていくんじゃないかなと思っていたので、真っ先に心がけました」。追求した「和」は実を結んだ。

「ボビーの後でやりづらかったところは当然ありました。楽ではなかった。でも最終的には最高の1年になりました」。西岡剛、荻野貴司、井口資仁、金泰均、大松尚逸、サブロー、福浦和也、里崎智也、今江敏晃……。「メンバーを見ると個性が強い選手が多かったですけど、個性を生かしてくれましたね」と目を細めた。

 ところが2011年は最下位、2012年は5位に沈んだ。“常勝軍団”を築くことはできず、2012年限りで31年間着続けたロッテのユニホームを脱ぐことになった。(町田利衣 / Rie Machida)

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