“イチロー超え”なのに「私は認められなかった」 失った資格、元スターの譲らぬ主張
Full-Count / 2025年1月27日 8時15分
■ロフトン氏はわずか9人だけの600長打&600盗塁達成者
イチロー氏の殿堂入りにより“落選”した超大物が脚光を浴びている。インディアンス(現ガーディアンズ)などで活躍したケニー・ロフトン氏は通算打率.299、出塁率.372、2428安打、622盗塁をマーク。現代野球で評価される勝利貢献度WARは68.4を記録し、イチロー氏の60.0を上回る。それでも、殿堂入り資格初年度で即権利を失った。同氏は「私の活躍は認められなかった」「少し傷つけられた」と当時を振り返る。
ロフトン氏は1992年から5年連続盗塁王を獲得した他、1993年からゴールドグラブに4度輝き、1994年から6年連続でオールスターに選出された。2007年に現役引退し、2013年に殿堂入り資格を得たが、同年はバリー・ボンズ氏ら37人もの候補者がいて票が分散したことも影響したか、得票率わずか3.2%にとどまった。得票率が5%に届かなかった候補者は、その時点で資格を失う
22日(日本時間23日)に米メディア「FOXニュース」で掲載されたインタビューで、ロフトン氏は「私の活躍は認められなかった。なんとなく悲しいよ。私はまだ認められていない」と主張した。また、今回殿堂入りしたイチロー氏についても「本塁打がすべてじゃないと考える体が小さい選手たちは、こんなことができるんだ、と示すチャンスを得たイチローの姿を見た。そして私の成績とイチローの成績を比べると、自分たち(イチロー氏とロフトン氏)はそこまで離れていない」とした。
実際に両者のシーズン平均の成績を比較すると、盗塁&本塁打&打点&得点はロフトン氏が上回り、打率&安打数はイチロー氏が上回っている。また、ロフトン氏の622盗塁は歴代15位で、同メディアは「彼が出塁すれば、盗塁の能力が脅威となった」と言及する。加えて、600盗塁&600長打を記録した選手はロフトン氏を含めて過去に9人しかいないが、同氏だけが殿堂入りしていない。
「私が求めているのは、もう少し成績を見てくれってことだけ。私の望みはそれだけだった。なぜなら、成績を見ると、私のWARは球界史でも上の方だし、特に中堅手においてはそうだ。(殿堂入りしている)バリー・ラーキンと話をしたんだけど、彼は『君がプレーしていた時代に、君が一番だったよ』と言っていたんだ」と振り返る。ロフトン氏は全米野球記者協会による殿堂入りの資格は失ったが、時代委員会での選出の道は残っている。果たして稀代の韋駄天がその時を迎えることはできるだろうか。(Full-Count編集部)
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