“なめていた”イチローの肩「ありえない」 甘かった想定…被害者に刻まれた衝撃
Full-Count / 2025年1月27日 14時30分
■イチローの“あのレーザービーム”でアウトとなったロング氏
イチロー氏(マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター)が米野球殿堂入りを果たし、米スポーツ局「ESPN」はイチロー氏とチームメートや対戦相手だった選手のコメントを紹介。三塁へのレーザービームの“被害者”となったテレンス・ロング氏は「ありえないと思った」と当時の衝撃を振り返っている。
イチロー氏がメジャー1年目の2001年、4月11日(日本時間12日)、敵地でのアスレチックス戦だった。右翼のイチロー氏は右前打を捕球すると、二塁を蹴って三塁を狙ったロング氏をレーザーのような送球でアウトに。三塁手のグラブがほとんど動かない正確な送球は、強烈なインパクトを残した。その瞬間を目撃した実況のリック・リズ氏は「イチローが投げた、美しい送球! アウトにした! なんてことだ、イチローのレーザービーム・ストライクだ!」として、現在にも語り継がれる「レーザービーム」誕生の瞬間を彩る粋な表現を残した。
ロング氏は「彼の送球で私が三塁アウトになった時……シーズン序盤、シアトルでの試合でも同じような状況があったが、その時の打球の方向は外野の深い部分に少し寄っていたので、一塁にいた私は三塁に問題なく進塁できた。だから今回も、『前にも一度一塁から三塁に進塁できたから大丈夫』と思っていたが、今回の打球はちょうど彼の正面に飛んでいたね」と振り返った。
「彼が私をアウトにするなんてありえないと思いながら走っていた」と語るロング氏は、二塁を蹴って三塁を見ると、三塁手はイチローのボールを捕球する態勢となっていたという。「私は、(走りながら)自分の中でこんな風に言っていた、『OK、このボール(イチローの送球)はまもなく私の横を通り過ぎる』。なので、私は(アウトかセーフか)2つのことが起こる可能性がある、どちらにせよ、永遠にESPNで映像が流れることになる、と思っていた」と冗談交じりに明かした。
ギリギリのプレーになることを察したロング氏は「私は『滑り込むしかない』と思った。でも、滑り込む準備をした瞬間、この(イチローが投げた)ボールが私のすぐ横を通り過ぎるのが見えた。私は『なんてこった、あんな送球ができたなんてありえない』と思ったよ」と鮮明に脳裏に刻まれる当時の瞬間を振り返った。打球を放ってから三塁に達するまでの8秒間、ロング氏の“当初”の想定を超える結末が、イチロー伝説の始まりとなった。(Full-Count編集部)
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