軟式中学生の不安「硬式と差あるのかな」 速球に恐怖感も…異例交流戦で学ぶ“対応力”
Full-Count / 2025年1月28日 7時50分
■中学野球の硬式・軟式にレベル差はあるのか? 福島で行われた交流試合の結果
中学野球は硬式と軟式に分かれるが、両者が交わる機会はそう多くない。昨年12月、福島商業高校野球場(福島市)で、中学硬式の強豪「高崎中央ポニー」と、福島市、川俣町の中学軟式選抜チーム「福島球友会」が交流戦を実施。2試合行って高崎中央ポニーが連勝したものの、第1試合は2-1、第2試合は3-1といずれも接戦となった。貴重な経験を積んだ両チームの選手たちが、感じたものとは。
交流戦は守備側のボールを使用する形式で実施。つまり、硬式が攻撃の時は軟式球を、軟式が攻撃の時は硬式球を使用した。軟式球は中身が空洞になっており、硬式球と比べて飛びにくく跳ねやすい。軟式野球実業団でのプレー経験を持つ高崎中央ポニーの眞下俊二・Bチーム監督は、試合前、「(硬式の選手は)1回り目はボールがつぶれて打てないと思う。ただ硬式も軟式も同じ野球なので、どう対応するか楽しみにしています」と話していた。
眞下監督の予想通り、第1試合の序盤は思い通りの打撃ができない高崎中央ポニーの選手たちが顔をしかめたり、苛立ちの声を漏らしたりする場面が目立った。3番に座った主将の大澤羅生選手は、3打席立っていずれもフライアウト。「自分の中ではしっかりバットを出せたイメージがあっても、実際には出せていなくて詰まる打球が多かったです」と振り返る。
それでも、眞下監督の「ポイントを前にしないと打てないぞ!」との助言を受け、第3打席ではあと一歩で長打になる中飛を放った。また1番の亀井颯真選手は得点につながる左前打と右翼方向への二塁打をマーク。亀井選手もやはり「ポイントを前にして捉える」ことを意識して打席に立ったといい、対応力の高さが結果に結びついた。
硬式チーム相手に善戦した福島球友会の選手たち【写真:川浪康太郎】
■試合前は“不安”も…善戦に手応え「硬式相手に少しは通用」
福島球友会の選手たちは、バットに硬式球が当たった際にやはり手を痛がる仕草を見せた。主将の小林蒼宙選手(福島市立第三中)は「ボールが硬くて痛かった。球のスピードも普段より速く感じて、少し怖さがありました」と苦笑いを浮かべた。
とはいえ、「硬式とはレベルの差があるのかな」(小林選手)との不安をよそに、チームは第2試合の初回に3安打を集めて先制するなど善戦。「まだまだ実力不足だけど、頑張ればもっといい試合ができると思いました」と手応えを口にした。
第1試合で先発し、2回を投げ無安打無失点と好投した渡辺隼選手(福島市立野田中)も、「自分の球が通用するか不安だったけど、硬式相手にも少しは通用した。自信のある真っすぐで強気の投球ができた」と笑顔。硬式に移行する高校野球を見据えてヒントを得た様子だった。
高崎中央ポニーの大澤選手が「硬式も軟式もレベルの差がない」、亀井選手が「同じ野球をやっていることには変わりないと感じた」と話すように、中学生年代では使用するボールは違えども対応力に大きな差はない。硬式と軟式の交流がもっと盛んになることは、各選手が自らの現在地を知る絶好の機会になるのではないだろうか。(川浪康太郎 / Kotaro Kawanami)
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