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巨人とDAZNの契約「10年延長」の舞台裏 幹部説明する深い理由「変化が生まれた」

Full-Count / 2025年1月29日 9時6分

巨人と親会社の読売新聞社、DAZNの3社は包括提携契約を10年延長した【写真:宮脇広久】

■巨人・阿部慎之助監督、山口寿一オーナーらが都内で会見

 巨人と親会社の読売新聞社、スポーツ専門動画配信サービスのDAZN(ダゾーン)の3社は28日、都内で会見を開き、2019年に結んだ包括提携契約を今年から2034年まで10年間延長することを発表した。会見には巨人・阿部慎之助監督、同・山口寿一オーナー(読売新聞グループ本社代表取締役社長)、DAZN Japan最高責任者兼アジア事業開発の笹本裕氏が出席した。

 山口オーナーは「10年という長期の契約延長となった理由は、配信サービスを安定的に行い、ファンの方々の満足をより高めていけると考えたからです」と説明。「2019年に初めてDAZNと契約を結びましたが、翌2020年にコロナ禍で無観客試合を開催せざるをえない状況に陥り、オンデマンドによってジャイアンツの映像をお届けすることができるありがたさ、大きな価値を思い知りました」と続けた。

 DAZNは従来通り、巨人のレギュラーシーズンとクライマックスシリーズ(CS)の全主催試合をライブ配信する予定だ。読売グループでは、日本テレビ系の地上波、BS日テレ、CSの日テレジータスの他、巨人の公式動画配信サービス「GIANTS TV」、動画配信サービス「Hulu(フールー)」でも巨人戦を中継してきた。DAZNとこれらのメディアは競合関係にあり、視聴者を奪い合っているという見方もあったが、山口オーナーは「現代の多メディア社会では、多様なメディアを組み合わせて、多様なコンテンツを発信することが大事だと考えています」と前向きに捉えている。

 巨人サイドに配信権料が支払われる上、DAZNはNPBの他にも、サッカーJリーグ、海外サッカーリーグ、モータースポーツ、バスケットボール、アメリカンフットボール、ゴルフ、ボクシング、総合格闘技など様々なコンテンツを取り揃えた人気サービスだ。山口オーナーは「DAZNが加わったことによって、これまで他のスポーツに感心を持っていたけれど、野球はあまり見たことがなかった方々が、新たにジャイアンツのファンになるという変化が生まれた」と語り、ファン層の拡大に寄与したと見ている。

■春季キャンプ、イースタン・リーグ公式戦も配信…台湾でも巨人戦中継

 山口オーナーは「DAZNと読売は“ウィン・ウィン”の関係にあると認め合っていますし、今後はファンの方々を含めて“ウィン・ウィン・ウィン”の関係を構築していきたい」と語る。DAZN関係者も「競合ではなく、相乗効果を生み出せると思います」と頷いた。

 一方、DAZNは新たに2月1日から始まる巨人春季キャンプの様子と今季イースタン・リーグ公式戦も配信する。阿部監督は「2軍戦の配信は、選手たちにとってやりがいになる。うちのユニホームは背番号の上に名前が記されていないけれど、この選手は誰だと調べてもらえるくらい、配信を意識して、はつらつとしたプレーを見せてほしい」と期待を寄せた。

 さらに「DAZN Taiwan」が今年から、台湾で巨人の1軍主催試合の配信や有料放送を行うことも発表された。これには、巨人が昨年3月に「巨人軍90周年記念親善試合」と銘打ち、台北ドームで台湾プロ野球チームとオープン戦を2試合を行い、2日間で観客約7万人を動員して野球熱の高さを実証した背景がある。

 かつてNPBでは、巨人戦だけが断トツの人気を誇り、日本テレビ系がホームゲームのほぼ全試合の中継を独占、他球団にとっても「1試合1億円」とも噂された地上波テレビの巨人戦放映権料が収入の軸となっていた時代があった。今やインターネット動画配信の普及で、巨人とNPBをめぐるメディアの様相は隔世の感がある。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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