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重いボールは「ストレスが少ない」? 大谷翔平も導入…肘負担減らす“試合前行動”

Full-Count / 2025年1月31日 7時50分

ドライブラインのスタッフから指導を受ける中学生たち【写真:佐々木亨】

■米国最先端トレ「ドライブライン・ベースボール」が日本上陸…最新ツールで投打の技術向上

 現代野球では精密なデータやトレーニングツールを活用して、プレーの質を高めることが重要視されつつある。数値を用いて動作を可視化するなど、最先端のトレーニングを備える米国の施設「ドライブライン・ベースボール」が、昨年12月に日本国内で体験会を実施、日本でアマチュア選手を初指導した。同施設が誇るパフォーマンス向上につながるツールの秘密とは、どのようなものだろうか。

 球速アップなど、ピッチングのパフォーマンス向上をもたらすカラーボール、通称「プライオボール」を使ったトレーニングドリルは、ウオーミングアップの一環として大谷翔平投手(ドジャース)が登板直前に行っているシーンを見たことがあるだろう。

 その中に、ドライブラインの代名詞的なドリル「ピポットピックスロー」がある。軸足(右投げなら右足)を前に出してセットして、下半身を回転させて捻転状態から投げるものだが、その効果や正しい動作を知らなければ、確かな成長にはつながらない。

 大きさや重さの異なる様々な種類があるドライブラインのプライオボールは、「選手の動きのパターニング」を可能にする。つまりは、動きの再現性を高める効果がある。同施設のピッチングコーディネーターのトビー・ネーゲル氏が説明する。

「実際の野球ボールと違い、プライオボールにはボールの縫い目がない。そのため、無意識に体だけに集中してトレーニングができます」

 プライオボールを使って投球フォームの修正をしたほうが、肘へのストレスがないことも大きなメリットだという。

「重いボールは、投げるストレスはあまり高くない。そういったものを使いながら、プライオボールでのウオーミングアップでは、50%の力から始まって、10%ずつぐらい上げていく。そして、実際の野球ボールを投げるときに強度が上がっている状態に持っていきます」

 実際の野球ボールよりも軽いプライオボールは、アームスピードを上げるためのものだが、経験の少ない選手や体ができていない選手のトレーニングでは、腕へのストレスがかからないように一番軽いものは使わないのだという。最初は、重さが“中間”のボールを使いながら、徐々に強度を上げていく。そういった知識もあった上で、正しいトレーニングをしてほしいとトビー氏は言う。


プライオボールをはじめとするドライブラインのツール【写真:佐々木亨】

■ドライブライン独自のツールで打撃も向上

 打撃では、3本で1セットになっているバットスピードトレーナーというツールがある。先端が緑色になっているものは、普通のものよりもヘッド部分に20%重みがあるバット。赤色のものは、逆にグリップ部分のほうに20%重みがあるバット。そして、普通のものよりも20%軽いバットは、選手がどれだけ速く体を動かせるか、速くスイングできるかを身に付けるためのものだ。シニアヒッティングトレーナーのジェイコブ・ハーシュ氏は言う。

「3本のバットを使うことで、バットスイングや打球のスピードを向上できます」

 また、スマッシュファクターボールというツールがあるが、大きさは普通の野球ボールと同じで、重さは3オンス(約85グラム)。独自の柔らかい新素材のため、打感を保ちながら、選手がスピードや詰まったときの痛みに対する恐怖心を持たずに打撃練習ができるのだという。ジェイコブ氏は言う。

「スマッシュファクターボールを打つときに使う芯の部分が細いバットがありますが、それを使うことでミート力向上にもつながります」

 昨年12月の体験会では、軟式、硬式でプレーする中学生たちが独自のツールを使って打ち込む姿があった。ティーバッティングでは、打撃におけるパワーの出し方、そのためには下半身のコントロールが重要など、参加者は的確なアドバイスをもらいながらバットを振っていた。

 確かな知識と本物のツールが描く成長曲線。膨大なデータと科学的な根拠をもとに行われるトレーニングには、大きな可能性が秘められている。(佐々木亨 / Toru Sasaki)

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