代表選出のために「イタリア人と結婚すれば」 思いもよらぬ提案…異国で衝撃的な“オファー”
Full-Count / 2025年2月1日 7時30分
■元近鉄の品田氏は2002年からイタリアでプレー…外国人枠は投手1人だった
元近鉄の品田操士氏は2001年、米独立リーグで2桁勝利を記録するなど活躍し、翌年も現役続行を希望した。新天地はイタリアに決定。「台湾とかアメリカの独立リーグとか、いくつか話はあったけど、イタリアが1番良い条件だったんだよね」。家や車、昼食の無料チケットがあり、給料は月1700ユーロ(当時約20万円)ほどだった。
当時は野球と言われてなかった欧州だが、イタリアの野球は歴史も古く、MLBとのつながりもうかがえた。当時の監督はマリナーズの欧州担当スカウトも兼任。「ホームの時は宣伝広告がたくさん入ったユニホームだったけど、アウェーではマリナーズのユニホームだった。他のチームもアウェーではMLB球団のユニホームだったよ」。
外国人選手の待遇は悪くなかったが、立場はシビアだった。1部リーグに相当するセリエAのチームのみ、外国人選手を獲得することができ、枠は3人で投手に限ると1人。「だからダメだったらすぐにクビ」。他にも試合は1週間に3試合で、土曜1試合、日曜はダブルヘッダー。外国人投手は土曜にしか投げられないルールで、対戦相手は常に外国人投手だった。「日曜はスコアをつけたりしていた。週に一度だから、100球を目途に交代することもなくて、外国人投手はできるだけ一人で最後まで投げてくれ、という感じだった」と振り返る。
最終的にはイタリアで活躍しシーズン最後までプレーすることができた。しかし当初、春季キャンプでは早くも危機があった。オープン戦で打たれるとすぐに監督から「状態を上げてくれ」と指摘。「いやいや、開幕にはあわせるよ、とは言ったんだけどね。野手の外国人もかなり入れ替わっていたなぁ」。常にシビアな環境だった。
■外国人枠免除のためにイタリア人女性と結婚させるチームも「なんか、ずるくね?」
「外国人枠は、アメリカや中南米の選手が多かった。日本のプロ野球からはオレが初めてだったはず。日本の社会人から行った選手が、前の年までプレーしていたらしい。正直、前年のアメリカの独立リーグよりも厳しかった」
当時のイタリアはほとんどが米国のマイナーリーグでプレーしていた選手で、両方の国籍を持っている選手が多かった。「オレも最初は舐めていた。大したことないだろうって」。ただ、想像以上のレベルの高さだった。「野球は雑だったけどね。レベルで言ったら、日本の2軍のチームに外国人選手が2人いる、くらいの感じだと思う。アメリカの独立リーグよりイタリアの外国人の方が高給だから、それなりの選手が来ていた。こっちも必死だったよ」。
その中でも、シチリア島のチームは異色だった。選手のほとんどが中南米出身。外国人枠から外れるために、オーナーが中南米から若い選手を連れてきて、イタリア人と結婚させていたという。「選手はみんなスペイン語を話しているし、当然レベルは高い。『なんか、ずるくね?』みたいな」。“抜け穴”があることに驚かされた。
そんな環境で品田氏自身も衝撃的なオファーを受ける。「当時はオレも独身だったから、お前もイタリア人女性と結婚すれば、ナショナルチームに入れるよって。いやいや、そんな形で代表入りしたくないよって断ったけどね」。日本とは大きく違う環境だったが、米国に続きイタリアでも現地に順応。最多勝と最多イニングのタイトルを獲得したのだった。(伊村弘真 / Hiromasa Imura)
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
戦力外→テロ遭遇の緊急事態「映画の撮影かと」 残された選択肢、米国での壮絶体験
Full-Count / 2025年1月31日 7時25分
-
初登板で15失点「全然抑えられねぇ」 想定外の指令…18歳で受けた“プロの洗礼”
Full-Count / 2025年1月29日 7時45分
-
滑り止めで入学「オレ、失敗したな」 かかと踏んでドブ掃除…厳しかった“後の名門”
Full-Count / 2025年1月26日 7時30分
-
イチロー氏米殿堂入り記念しTシャツやユニホームなどMLB公式オンラインショップで販売
スポニチアネックス / 2025年1月22日 8時41分
-
イチロー氏米野球殿堂入り「殿堂入りは全く想像できなかった。光栄」得票率は99.7% 満票に1票足りず
スポニチアネックス / 2025年1月22日 8時39分
ランキング
-
1完全無欠のはずが…イチロー氏の“絶望的な弱点” 仲良し同僚が暴露「世界一酷い」
Full-Count / 2025年1月31日 18時51分
-
2防御率1点台で“事実上の戦力外”「おかしい」 不遇のド軍37歳に同情の声「馬鹿げてる」
Full-Count / 2025年1月31日 17時57分
-
3佐々木朗希の球速はなぜ落ちた? 元パ・リーグ最多勝投手が分析...「球速落ちる傾向はどの選手にも」
J-CASTニュース / 2025年1月31日 16時47分
-
4ブルージェイズ FAシャーザーと年俸約24億円で合意 朗希獲得ならず、通算216勝の40歳右腕を補強
スポニチアネックス / 2025年2月1日 2時32分
-
5羽生結弦さん「決して忘れません」 ディック・バトンさんを追悼
スポーツ報知 / 2025年1月31日 21時34分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください