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美女で話題…人気曲が「僕の応援歌ではない」 主砲移籍でも方針変わらず、オフの台湾野球

Full-Count / 2025年2月1日 10時51分

味全ドラゴンズと大型契約を結んだ陳子豪【写真提供:(C)CPBL】

■台湾で活躍する2人の日本人投手の存在

 今回は、ストーブリーグや、日台の交流試合に関する話題をお届けする。今オフ、台湾プロ野球では4人が国内FA権を行使した。結果、過去2回の本塁打王に輝いたプレミア12代表の楽天モンキーズ・朱育賢と、通算131本塁打の中信兄弟・陳子豪という、リーグを代表する左の大砲2人の味全ドラゴンズ移籍が決定した。

 朱育賢は、プレミア12の決勝に一塁手として出場。9回1死から栗原の強烈なライナーをキャッチすると、そのままファーストを踏み、併殺を完成させた選手である。

 味全は昨季リーグ5位の12本塁打、同9位の打率.295をマークした33歳の朱育賢と、4年総額台湾元4800万元(約2億2850万円)、リーグ3位の17本塁打をマークした29歳の陳子豪と、10年総額1億3000万元(約6億1890万円)の大型契約を締結した。

 2019年に「第5の球団」として20年ぶりに台湾プロ野球に復帰した味全は、1軍再参入3年目となった2023年シーズンは優勝も、昨季は貧打に泣いて年間4位に沈んだ。2人の昨季の合計本塁打数29本は、実にチーム本塁打数58本の半分。プレミア12代表の吉力吉撈・鞏冠(ギリギラウ・コンクアン)、若き4番、劉基鴻という2人の右の大砲とのカルテットは、リーグに旋風を巻き起こしそうだ。

 陳子豪といえば、日本で、中信兄弟のチアリーダー「Passion Sisters」のチュンチュンのブレイクにもつながった「炸裂!」から始まる応援歌がおなじみだ。台湾プロ野球では選手の移籍と同時に、応援歌がそのまま使われるケースも多々あるが、中信兄弟は、陳子豪の移籍決定後、今後も主催ゲームで同楽曲の使用を続ける方針を示唆。陳子豪も12月31日、自身のSNSに「踊るなら早く、もう僕の応援歌ではなくなるよ」と書き込んだ。

 このほか、このオフのFA組ではないが、プレミア12で大会MVPを獲得する大活躍をみせた統一ライオンズの陳傑憲は2024年末、3年契約の3年目を終えた。プレミア12でのパフォーマンスで日米球界からも注目され、本人も具体的なオファーがあれば海外挑戦への意欲はあると伝えられているうえ、順調にいけば2026年にもFA権取得となる。統一球団にとって、戦力面、興行面の両面でより欠かせぬ存在となった陳傑憲。大型契約を提示し、「生涯統一」宣言をとりつけたいところだろう。

 各球団、外国人選手との契約が進んでいる。このうち、台鋼ホークスは昨年11月7日、小野寺賢人、吉田一将両投手との契約延長を発表。2023年秋、アジアウインターリーグに「テスト外国人」として参加。優勝に貢献し契約を勝ち取ったBCリーグ埼玉武蔵出身の小野寺は、肘の怪我で離脱も、そこまで1軍9試合に先発、2勝4敗ながら、6試合連続のクオリティスタート(QS)を見せ防御率2.31、WHIP0.97という安定した内容を見せた。


台鋼ホークスのスティーブン・モヤ【写真提供:(C)CPBL】

■台鋼はスティーブン・モヤと約9000万円で契約延長

 また、オイシックス新潟から昨年8月に入団した元オリックスの吉田一将は救援投手として15試合に登板。15回2/3で自責点1、防御率0.57、WHIP0.89の内容を見せ、ファンからは「台鋼のダルビッシュ」と呼ばれた。

 台鋼はさらに昨年12月7日、30本塁打、99打点でリーグ2冠王に輝いた「魔鷹」ことスティーブン・モヤと57万5000米ドル(約9000万円)で契約延長。さらに24日には、6月に1軍昇格後、13試合先発で7勝0敗、防御率2.04と先発陣の軸として活躍した「後勁」こと、ブレイディン・ヘーゲンズと39万2500米ドル(約6100万円)で契約延長したことを発表した。昨年12月27日に獲得を発表した元メジャーリーガー、スペンサー・ワトキンス以外は日本球界でプレー経験のある外国人選手だ。

 NPBでプレー経験がある新外国人選手獲得の情報も入ってきている。エース・古林睿煬がポスティング申請、日本ハムへ移籍した統一は、その譲渡金で積極的に補強を行っており、元巨人の左腕、ヨアンダー・メンデスを獲得。また、1月7日には、蘇泰安GMが、NPB2球団で7年間プレーしたCC・メルセデスとの契約も明らかにした。

 現在、台湾プロ野球では全6球団に日本人指導者が在籍している。まだ、一部のチームでコーチ陣の顔ぶれは正式発表されていないものの、富邦ガーディアンズ以外は日本人指導者に大きな入れ替えはなさそうだ。その富邦は12月22日、3人の外国人コーチ就任を発表。このうち、後藤光尊氏が2軍監督兼野手総合守備コーチに、島崎毅氏が2軍投手コーチに就任することが明らかになった。

 富邦はこれに先駆け10月21日、中信兄弟で現役引退後、2軍監督を3年務め、その後、1軍監督としてチームを2連覇に導いた林威助氏を副GM兼ファームディレクターに招聘しており、今回の人事も、林威助・副GMの人脈によるものと報じられている。

■林威助「チーム内に競争を生み出さなければならない」

 千葉県内の施設で既に両コーチと面会をすませた林威助・副GMは帰国後「良いチームを作るためには、ファーム全体のレベルを上げ、チーム内に競争を生み出さなければならない。経験豊かな両氏はファームの底上げに最適だ」とオファー理由を説明、期待を示した。中信兄弟の1軍監督時代、現・監督の平野恵一氏を打撃兼内野統括コーチに招聘、若手を抜擢し、チーム内に競争原理を植え付けることで2連覇を達成した。

 2016年オフに前身の義大ライノスを買収以来、まだ1度も1軍優勝がない富邦だが、若手の育成力に定評がある林威助・副GM、そして新任の日本人指導者により、まずファームからどのような変化が生まれるのかに注目だ。

 日本プロ野球と台湾プロ野球、双方の球団による交流戦の予定も続々と発表されている。楽天モンキーズは2月15日、16日と、ロッテのキャンプ地、沖縄県石垣市の石垣市営球場で、恒例の交流試合「アジアゲートウェイ交流戦 Power Series」を開催する。選手やチアリーダーとの距離の近さも好評で、毎年、日台双方のファンの交流の場ともなってきた。近年は双方、若手選手が起用されていたが、今年は久しぶりに1軍メンバー主体での戦いになるという。

 また、3月1日と2日には、日本ハムが台湾北部、台北市の台北ドームで台湾プロ野球2球団との交流試合「2025台湾シリーズ」を行い、それぞれ3月1日に統一セブンイレブンライオンズ、2日に平野恵一監督が率いる中信兄弟と対戦する。台湾側の2チームは、2024年シーズンの台湾シリーズ出場チーム。優勝したプレミア12でも、統一は大会MVP、キャプテンの陳傑憲をはじめ5選手、中信兄弟も、正ショートの江坤宇ら5選手が代表に選出された。双方の1軍メンバーによるレベルの高い戦いが期待される。

 日本ハムもこの交流試合を重視しており、古林睿煬を3月1日、古巣の統一戦に、そして3月2日の中信兄弟戦に孫易磊と、2人の台湾人投手を凱旋登板。先発で起用する事を発表したほか、伊藤大海、山崎福也、万波中正、清宮幸太郎、レイエスら各主力選手が軒並み出場予定であることも明らかにされた。コラボグッズの予約販売もすでにスタートし、大きな話題となっている。チケットは、日本からも購入可能だ。

■2024年は日本も台湾も過去最多の観客動員数を記録

 昨年12月16日、台北市内で開催された記者会見には、中信兄弟からは2023年WBC代表の王威晨、統一からはプレミア12代表の林安可が、そして、日本ハムからは清宮幸太郎とファイターズガール2名も参加した。

 少年野球熱の高い台湾では、世界一に輝いたリトルリーグ時代から「清宮幸太郎」の名は知られており、プレミア12でも、表彰式後に1人グラウンドに残り、2023年の秋季キャンプで指導を仰いだ高国輝打撃コーチ(富邦)に挨拶したシーンは、素晴らしいスポーツマンシップだとして、台湾各メディアで取り上げられた。

 ステージでは台湾の両選手に向け、「放馬過來(台湾華語で『かかってこいよ』の意)」と「挑発」するパフォーマンスで盛り上げた清宮は、台湾メディアに囲まれたぶら下がり取材でも物怖じせず、高い“コミュ力”を発揮。自ら台湾に関するさまざまな思い出やエピソードを明かし、しっかり「大使」役を務めた。翌17日には孫易磊と一緒に、台北市内にある孫の母校、台北市東園小学校と台北日本人学校を訪問、子どもたちへ指導を行った。

 日本ハムは春季キャンプ期間の2月24日、タピックスタジアム名護で味全ドラゴンズとの練習試合を行う。味全の丁仲緯GMは、同時期に開催されるWBC予選に出場する選手以外、基本的に1軍メンバーで臨むと話しており、プレミア12代表の参加も期待できそうだ。

 パ・リーグの球団には、昨年のドラフト会議での指名の2選手、そして日本ハム入りの古林睿煬含め外国人枠で新たに4選手が入団。パ・リーグの台湾人選手は6人増えて合計9人となった。台湾選手の増加により、台湾人ファンのパ・リーグ、NPBへの関心が更に高まることはもちろん、日本球界も、台湾市場をより重視するようになり、双方の交流はますます盛んになるだろう。

 日台のプロ野球は2024年、いずれも過去最多の観客動員数を記録した。そして2026年にはWBCが開催される。台湾はこの2月末に開催される予選を、まず突破しなければならないが、本戦での好成績に向け、両リーグにとって、今年がさらなる飛躍のための1年となることを期待したい。(「パ・リーグ インサイト」駒田英)

(記事提供:パ・リーグ インサイト)

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