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戦力外で折れかけた心…一度は保留した育成の打診、失意の23歳を救った「どうしたんや」

Full-Count / 2025年2月1日 8時3分

オリックス・前佑囲斗【写真:北野正樹】

■戦力外→育成の前に響いた波留2軍監督からの言葉…「一緒に頑張るぞ!」

 心に刺さる言葉で前を向けた。2024年のシーズン終了後、戦力外通告を受けたオリックス・前佑囲斗投手は、波留敏夫2軍監督の「今からやぞ!」の言葉で育成契約での再出発を決断し、支配下選手登録復帰を目指す。「波留さんが2軍監督になって、めちゃくちゃうれしかったんです。だから、声を掛けていただき頑張ろうという気持ちになりました」。背筋を伸ばして声を弾ませた。

 前は三重県出身。津田学園の3年時に春夏連続して甲子園に出場した。夏の静岡高戦では9回1失点、11三振を奪う活躍でU-18代表に選出され、佐々木朗希投手(ドジャース)や宮城大弥投手(オリックス)、奥川恭伸投手(ヤクルト)らと「第28回WBSC U-18(韓国)」に出場し、2019年ドラフト4位でオリックスに入団した。

 2023年は1軍で2試合に登板。2024年はウエスタン・リーグで36試合に登板し、4勝2敗、防御率1.98と実績を残したが、1軍出場は4試合にとどまり防御率7.20とアピールすることができないまま、10月3日に戦力外通告と育成契約の打診を受けた。

「正直に言ってショックでした。考える時間がほしかった」と保留したまま10月のフェニックス・リーグに参加した前に、育成チーフコーチから昇格したばかりの波留2軍監督が視察のために現れた。「どうしたんや、前。こっからやぞ! 一緒に頑張るぞ!」。練習前にかけられた波留2軍監督の言葉に、揺れる気持ちは一瞬にして吹き飛んだ。前には、波留2軍監督の忘れられない言葉があった。

 中継ぎとして4月、5月と防御率1点台後半から2点台前半で推移していたが、1軍から声はかからなかった。やっと5月30日に昇格したが、1度も登板機会がないまま2軍に逆戻りしてしまった。調子が良くても、チーム事情や試合展開などによって登板機会が訪れないことは頭で理解しているものの、2023年シーズン後に派遣された豪州ウインターリーグで身に付けたフォークなどで勝負ができる自信を掴んで臨んだ前には、失望しかなかった。

■岸田監督も“太鼓判”…「5年間、1年ごとにどんどんよくなっている」

 そんな心を見透かすように、当時の波留育成チーフコーチから「お前の力なら通用する。チャンスがないと腐らず、自分のやることを全うしろ」と声を掛けられた。力を磨くことに集中して雑念を振り払うことの大切さを説いてくれたのだった。

「2軍でもその言葉を支えに投げていました」と前。戦力外通告で折れそうになった心も、波留2軍監督の言葉が救ってくれた。育成選手で迎えた初めてのオフシーズン。前の姿は、連日、大阪・舞洲の球団施設にある。自分の練習だけでなく、山崎颯一郎投手ら支配下の選手たちのキャッチボールの相手を進んで引き受ける。「6勤1休くらいですね。キャッチボールで投げるのも練習になりますから、自分から受けましょうかと言ってます」と前向きだ。

「岸田監督からも昨シーズン中に『お前は5年間、1年ごとにどんどんよくなっている。あと少しだから頑張れ』と言っていただきました。自分自身、少しずつ段階を踏んでいるという実感があります。今年はもっと成長した姿を見せて支配下に上げてもらえる選手になりたいと思います」。1、2軍の指揮官の期待に応えるつもりだ。(北野正樹 / Masaki Kitano)

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