ドラ1逸材が残した衝撃の“7.25” 過去20年でNo.1…19歳左腕が示したポテンシャル
Full-Count / 2025年2月4日 20時53分
■持ち球すべての制球力が秀逸、65イニングで与四球わずか8個
名門・大阪桐蔭高でエースとして活躍し、2023年ドラフト1位でソフトバンクに入団した前田悠伍投手。ルーキーイヤーだった昨季は4月に2軍で公式戦初登板を果たすと、最終的には9先発を含む12登板で防御率1.94をマーク。10月には1軍のマウンドも経験するなど、充実したプロ1年目を過ごした。今回は鷹の高卒ルーキーが好成績を残した要因と今後の課題にデータで迫っていきたい。(数字はすべて2024年シーズン終了時点)
投手がコントロールできる奪三振と与四球は実力を測る上で重要とされ、その2つを比で表したK/BBは投手の能力を測る指標としてよく用いられる。前田は昨季昨季65イニングを投げて58奪三振、8四球を記録。K/BBは7.25となり、これは過去20年間に2軍で50イニング以上投げた高卒ルーキー27人の中で最も優れた数字となっている。
ランキングの対象選手にはオリックス・宮城大弥投手や埼玉西武・高橋光成投手など、エース格の名前が入っている。前田はプロ1年目の指標としては彼らを上回る数字を残したことになる。もちろんリーグや年度によって環境が異なるため、単純な比較で優劣を決めることはできないが、前田の持つポテンシャルの高さを示すことはできるだろう。
質の高いピッチングの中で特に優れている点が、与四球わずか8個の制球力であり、持ち球の精度の高さだ。球速140キロ前後の切れのあるストレートに加え、チェンジアップやスライダーなど4つの変化球を操るが、各球種のストライク率はすべてウエスタン・リーグの平均を上回っている。5つの持ち球すべてでストライクを奪うことができるため、簡単には四球を与えない安定感抜群の投球を実現することができるのだ。
制球力だけでなく三振奪取能力にも優れる若き左腕だが、持ち球の中で特に効果的だったのがチェンジアップだ。球速120キロほどで右打者から逃げていくような軌道が特徴で、高校時代から“魔球”と称されるこのボールは、ウエスタン・リーグ3位の空振り奪取率を誇るなどプロの舞台でも決め球として威力を発揮。ストレートとの緩急は効果抜群で、58奪三振のうち約4分の3に当たる44個をストレートとチェンジアップの2球種で記録している。
■「クイックになったら球速が落ちる」課題は走者を出した後
プロ1年目としては十分過ぎるほどの成績を残した前田ではあるが、当然ながら改善するべき課題もある。その1つが走者を背負った際のピッチングで、ストレートの成績を見ると、走者ありの場面では平均球速が2.6キロ低下し、被打率は3割近くまで悪化。本人も「クイックになったら球速が落ちちゃうので、どうしても変化球に頼ってしまったりとか、真っすぐを打たれてしまうことが多かった」と力不足を痛感している。
さらに、先に紹介したチェンジアップや、同じく空振りを奪うボールとして機能していたツーシームなども、走者を背負った場面では威力が減少。結果として、対戦打者に占める奪三振割合は走者なし時の27.6%から16.1%にまで低下していた。これからより高いレベルのピッチングを見せるためには、クイックモーション時の投球の質を磨いていく必要があるだろう。
10月の1軍デビュー戦では3回8安打6失点と打ち込まれ、プロの壁の高さにはね返された前田。このオフはカブス・今永昇太投手の自主トレに参加し、多くの学びを得たようだ。今年の春季キャンプでは主力が集まるA組に振り分けされており、球団や小久保裕紀監督からの期待の高さがうかがえる。プロ入り後初めてのオフを経て、鷹の未来のエース候補はこれからどのような成長を遂げるのか。その歩みに引き続き注目していきたい。(「パ・リーグ インサイト」データスタジアム編集部)
(記事提供:パ・リーグ インサイト)
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