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「160キロを出せる投手」の条件は? 一直線に前へ…球速アップに直結する“日常習慣”

Full-Count / 2025年2月10日 7時50分

東北福祉大・堀越啓太【写真:川浪康太郎】

■今秋ドラフト候補投手もコーチング…野球指導者・白川峻也氏が重視する「加速距離」

 飛行機が空へ飛び立つには、長い“助走”が必要だ。同じ原理で、投手も長い“助走”があれば速い球を投げることができる。「White Baseball Academy」(茨城県つくば市)代表で小学生からプロ選手までを指導する白川峻也さんは、「自分自身の体が前に行く助走の動きがないと、爆発的なスピードは出ない」と強調する。プロ入り前の松井颯投手、田村朋輝投手(いずれも巨人)、今秋ドラフト候補の東北福祉大・堀越啓太投手らを指導する中で得た、球速アップのヒントとは。

「速い球を投げられる投手は、加速距離がすごく長いんです。加速距離とは、プレートからホームベースまでの間に加速する距離のこと。投げる方向に一直線に進みながらトップやリリースまでの加速距離を出すと、スピードも出やすくなります」

 飛行機の助走が一直線であるように、投手もリリースまでの一連の動作を一直線にしなければスピードは出ない。一直線にするためには「横の動き」や「遠回りの動き」を省き、「前に進む動き」を身に付けさせる必要がある。その際に求められるのが、“体の柔らかさ”だ。

 白川さんは柔軟性を出すため、指導の際に「日常生活をストレッチにしてしまおう」と伝えている。「止まっている動きを、就寝時以外は作らない。常に首や肩を動かして自分の体にアプローチをかけ、ほぐれる状態を作っておくと、それだけでも大きく変わります」。筋肉や関節の硬さに悩まされる選手が、日常からストレッチを習慣づけることで、柔らかさを手に入れ、球速アップにつなげるケースは少なくないという。


「White Baseball Academy」の白川峻也氏【写真:本人提供】

■“爆発的スピード”をマウンドで体現…追い求める「170キロ到達」

 東北福祉大の堀越は、長い加速距離を出せる投手の一人。白川さんは堀越を「下半身が重くて上半身が柔らかい。元々加速距離が長く、上半身で動く幅が大きかったが、ウエートトレーニングで下半身を鍛えたことで前に進むスピードがさらに速くなりました」と評する。まさに「前に進む動き」に長けた投手だ。

 4年前、埼玉・花咲徳栄時代にドラフト指名漏れを経験した直後から指導し、当初はややずれていた回転軸を修正。さらに堀越自身の考えでバレーボールを用いたトレーニングを採り入れるなど、教わったメニュー以外の練習にも励んだ結果、当初は140キロ台だった球速が大学入学前に155キロまで伸びた。

 大学生になってからは非公式ながら160キロ台を計測し、公式戦でも150キロ台中盤を連発。元々の素材と本人の努力がかたちになり、白川さんの言う「爆発的なスピード」をマウンド上で体現している。

 また白川さんは「(堀越は)自分を指導者として成長させてくれる選手」とも口にする。「160キロを出せる」モデルケースである堀越の加速距離の出し方を参考に、全国各地を回って投手たちに助言を与えている。「プロに行くまでに170キロに到達させたい。絶対的な存在になってほしい」。大学球界を代表する豪腕とともに、“未知の領域”を目指す。(川浪康太郎 / Kotaro Kawanami)

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