鷹は「独走にはならない」 大きすぎる甲斐拓也の“穴”…専門家が注目した成長株
Full-Count / 2025年2月10日 8時10分
■1軍キャンプには海野、渡邉、谷川原、育成の盛島の4捕手が参加
ソフトバンクは昨年、2位の日本ハムに13.5ゲームの大差をつけ独走Vを果たしたが、オフに日本を代表する扇の要・甲斐拓也捕手がFAで巨人へ流出した。大き過ぎる穴を埋めるキャッチャーは現れるのか――。現役時代にヤクルト、日本ハム、阪神、横浜(現DeNA)で捕手として活躍した野球評論家・野口寿浩氏が9日、ソフトバンクの宮崎キャンプを視察した。
言うまでもなく、甲斐が抜けた影響は大きい。野口氏は「甲斐には圧倒的な経験値がありましたから。捕手は、1人1人個性の違う投手に対して、いつ声をかけなければならないか、何を言うべきかといったこと、適切なリードなどを、経験からしか学べません。例えば昨年、エースの有原(航平投手)が登板した試合は、全て甲斐がマスクをかぶった。現時点では、チームの誰もが不安を抱いているのではないでしょうか」と推察。「甲斐がいなくなったことで、多少なりともチームは揺らぐ。他球団にとっては、つけ入る余地が生まれる。仮にソフトバンクが最終的にリーグ連覇するとしても、昨年のような独走にはならないと思います」と断言する。
現在、1軍キャンプに参加している捕手は、海野隆司、渡邉陸、谷川原健太、育成の盛島稜大の4人(石塚綜一郎も捕手登録だが、内野手として練習)。“4者四様”のブルペンでの捕球、メーン球場での打撃練習などを、野口氏が総チェックした。
「今は比較以前に、各捕手が自分の得意分野を存分にアピールする時期だと思います。海野は守備の総合力、渡邉は長打力、谷川原は率も残せる打撃でしょう」と分析する。盛島は187センチ、104キロの体格に恵まれ、打撃面で同じ沖縄県出身の山川穂高内野手からアドバイスを受けているが、まず支配下登録を勝ち取ることが先決。2軍キャンプで調整中の33歳のベテラン・嶺井博希捕手に関しては、「今年は緊急事態に備えて、ベンチスタートの試合が多くなるのではないか」と見ている。
■先発投手との相性によってスタメン捕手を使い分ける“パーソナル制”の可能性も
中でもプロ6年目・27歳の海野は昨年、スタメンマスクをかぶった試合が、チームで甲斐の102試合に次いで多い38試合に上った。スタメンが1度もなく、途中からの8試合出場に終わった一昨年に比べると、格段の躍進だった。「おそらく首脳陣には、甲斐が流出する場合に備えて、海野に経験を積ませる意図もあったと思います。実際、キャッチング技術は1年前に比べてワンランク上がっていると思います」と野口氏は評価する。
ただ、正捕手の座をめぐる争いは、オープン戦以降が正念場となりそうだ。「投手をリードして結果を出せるかどうか。また、打たれた場合でも、リードに首脳陣を納得させられるだけの根拠があったかどうかが、ポイントになると思います」と指摘した。
一方、最近は1人の正捕手に重責を背負わせるのではなく、複数の捕手に出場機会を分配し併用するチームも増えてきた。野口氏は「今年のソフトバンクも、先発投手との相性によってスタメン捕手を使い分ける“パーソナル捕手制”となる可能性があると思います。特に前田純、前田悠伍のように、昨年専らウエスタン・リーグで投げていた投手が、今年1軍で先発機会を得た場合、2軍で彼らの球を受けていた渡邉なり、谷川原なりがマスクを被ることになるかもしれません」と分析する。
野口氏自身も現役時代、ヤクルトでは殿堂入り捕手の古田敦也氏、阪神では後に監督も務めた矢野燿大氏という強力なライバルがいた。しかし、ヤクルトでは西村龍次氏、阪神では岩田稔氏と上園啓史氏が先発する時には、専ら先発マスクをかぶっていた。
いずれにせよ、“ポスト甲斐”の行方が今年のパ・リーグのペナントレースを大きく左右することだけは、間違いなさそうだ。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)
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