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19歳ドラ1に求めた我慢 開幕ローテ争える“立場”も…専門家が見抜いた「悪循環」

Full-Count / 2025年2月11日 8時10分

ソフトバンク・前田悠伍【写真:竹村岳】

■昨年ウエスタン・リーグで無双 1軍デビューは3回6失点KOで苦汁

 ドラフト1位でソフトバンク入りし、2年目を迎えた弱冠19歳の左腕・前田悠伍投手が、開幕ローテ入りを目指し猛アピールしている。大阪桐蔭高時代に甲子園を沸かせたスターだけに、ファンの期待も膨らむ。しかし、現役時代にヤクルト、日本ハムなど4球団で捕手として活躍した野球評論家・野口寿浩氏は、9日に宮崎キャンプを訪れブルペン投球を視察した上で、「慌てる必要は全くない」と警鐘を鳴らした。

 大阪桐蔭高2年時に、春の選抜高校野球大会で優勝に貢献するなど、常に周囲から熱視線を注がれてきた前田悠。プロ1年目の昨年は、ウエスタン・リーグで12試合4勝1敗1セーブ、防御率1.94と高卒新人離れした成績を残した。10月1日には初めて1軍に昇格し、同日のオリックス戦(みずほPayPayドーム)でプロ初登板初先発を果たしたが、ここでは3回8安打6失点KOされ、苦汁をなめさせられた。

「前田悠は昨年1軍で打たれたことで、自分のボールの力の無さを痛感。『今年は150キロを目指します』と言ってキャンプインしたそうです。頭のいい子で、2軍の試合ではバッターを見ながらタイミングを外したりして無双していたそうですが、1軍ではそうはいかない。不足しているのはボールの力だと、自分で分析したようです」と野口氏。

 ブルペン投球を見守り、「カーブ、スライダーは目を見張る物を持っている。チェンジアップも良かった」と評価した上で、「150キロを投げようとして、力いっぱい投げていました。しかし、力いっぱい投げることによって、体が横振りになり、開きが早くなり、リリースポイントが一定せず、制球が暴れ気味に見えました。キャンプも中盤に差し掛かり、疲れもあって、悪循環に陥っているのではないでしょうか」との見解を示した。

 今年のソフトバンクの開幕ローテは、エースの有原航平投手、リバン・モイネロ投手、カーター・スチュワート・ジュニア投手、2年ぶりに日本球界に復帰した上沢直之投手、左腕の大関友久投手まで確定的。前田悠は最後の6枠目を、3年ぶりの2桁勝利を期す東浜巨投手、同じ左腕の前田純投手、松本晴投手、DeNAからトレードで加入した浜口遥大投手らと激しく争う立場だ。

■「りきまずに150キロが出る体を手に入れてからでも遅くない」

「そんなに慌てる必要はないと思います。そんなに早くから出なければいけないチーム事情ではない」と野口氏は力を込める。「高卒2年目の前田悠はまだ、本当のプロの体にはなっていないと思います。ここはぐっと我慢して、徹底的にトレーニングをやり、そんなにりきまなくても150キロが出る体を手に入れてから勝負した方が、長い目で見れば本人のためになると思います」と提言した。

「あれだけ騒がれて入った投手なので、本人も早く1軍で投げたいでしょうし、周りも早く見てみたいと思うでしょう」とした上で、「それでも、慌てちゃいけない気がします。小さくまとまらず、大きく輝いてほしいです」と強調するのだった。

 類稀なスター性を纏った若者だけに、1日も早く、よりも、できる限りスケールの大きい投手として、1軍のマウンドに上がってくれることを願おう。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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