大量失点の“ワンサイドゲーム”多い西武…接戦に強い反面はらむ「脆さ」とは

Full-Count / 2020年10月30日 16時36分

西武・辻発彦監督【写真:荒川祐史】

■「勝ちパターン」の救援陣充実も、先発手薄で過酷な負担

■楽天 13-5 西武(29日・メットライフ)

 クライマックスシリーズ(CS)進出圏の2位ロッテへ1ゲーム差に迫っている西武は29日、本拠地メットライフドームで楽天に5-13の大敗。今季最多失点を喫した。1点差の試合は、8月30日の楽天戦に3-2で勝って以降15連勝中と接戦に強い一方、負ける時はこの日のようにワンサイドゲームが目立つ。9月24日の日本ハム戦では2-12、同10日のオリックス戦でも4-12などと大量失点。なぜこういう傾向になるのだろうか――。

 この日の西武は、先発のニールが来日後最短タイの2回5失点KOを食らい、3回終了時点で早くも1-6の大敗ムード。それでも4、6回に得点し、3点差まで迫ったが、7回に登板した4番手の國場が田中貴にプロ初本塁打となる2ランを浴びたのが痛恨だった。國場は最後まで投げ抜き、8回にも3失点、9回にも2失点で3イニングで計7点を失った。

 辻発彦監督は試合後、「こういう試合になってファンの皆さんには申し訳ないが、後ろのヤツ(“勝ちパターン”のリリーフ陣)は昨日も一昨日も投げていて、今日も投げたら3連投になってしまう」。打たれても國場を続投させた事情を説明した。

■昨季12勝1敗と奮闘したニールは精彩欠き先発陣手薄に

 西武はここにきて、7回を防御率1.49の森脇、8回を1.71の平良が担い、リーグ最多の31セーブを挙げている守護神・増田につなぐ“勝利の方程式”が確立。さらにドラフト1位ルーキーの宮川も調子を上げており、この“勝ちパターン”の救援陣の充実が、接戦をものにできる背景にある。

 一方、先発陣は相変わらず手薄で、チーム最多の8勝を挙げ、“ノーヒットノーラン未遂”を今季2度演じている高橋光以外には、信頼できるスターターが見当たらないのが実情。昨季12勝1敗、防御率2.87と大活躍したニールも、今季は5勝8敗、5.21と精彩を欠いている。チーム完投数はリーグ最少の1(9月8日オリックス戦での高橋光の1安打完封のみ)で、頼みのリリーフ陣に負担がかかり過ぎている。先発が序盤に崩れ、“勝ちパターン”以外の投手が登板する展開になると、一気に大差をつけられ試合を壊してしまうケースが多いのだ。

 残り10試合で2位の座を射止めるには、ロッテや、西武に1.5ゲーム差の4位につけている楽天の動向にもよるが、基本的に“捨て試合”をつくっている余裕はない。また、仮にCSに進出できたとしても、辻監督の下で初の日本シリーズ進出を果たすには、ソフトバンクに1勝のアドバンテージが与えられた状態から、3勝先取の4戦勝負を制さなければならない。鷹が誇る千賀、東浜の2枚看板のどちらかを必ず攻略しなければならないことも至難だが、何よりも先発陣に救世主出現が待望されている。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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