企業「アクティブリンク」はパワーアシストスーツで日本を救うか

FUTURUS / 2014年8月26日 20時50分

現在の日本では、人手不足と高齢化が問題となっている。特に建設業界や運送業などへの影響は深刻で、例えば建設業界では30歳未満の働き手が1割にまで低下しているという。

そのような人材不足は労働環境のさらなる悪化を招き、そのことがまた人材不足の要因となってしまうと言う悪循環をもたらすだけでなく、現場での労働災害を増やしてしまう危険もある。

ただでさえ建設や物流の現場などでは重い資材を運ばねばならないような高齢者には厳しい労働状況がある。

そのような状況を改善しようとしている技術がある。パワーアシストスーツだ。そしてそのパワーアシストスーツの開発に挑むベンチャー企業「アクティブリンク」が注目されている。


■ パワーアシストスーツとは

実はパワーアシストスーツという用語はまだ定着しているとは言えない。業界や企業によってロボットスーツ、パワードスーツ、マッスルスーツ、スマートスーツなど、様々な呼び名を使用しており、まだいずれにも統一されていない。

本記事では便宜上パワーアシストスーツに統一したい。

パワーアシストスーツは体に装着したり、その装置に搭乗することで、電動アクチュエータや人工筋肉などの動力が人間の動く機能を補助する装置だ。

用途としては様々な分野で期待されている。介護支援、リハビリ支援、作業支援、救助支援、そして娯楽用も考えられる。現在のところ、介護支援やリハビリ支援の実用化が進んでいるのではないだろうか。

世界初と言われるパワーアシストスーツはサイバーダイン社の「HAL」で、筋電位を検知してパワーユニットが制御されるタイプだ。数キロを持ち上げる感覚で数十キロを持ち上げることなどができるという。

本田技研工業も「リズム歩行アシスト」を開発しており、こちらは各種センサーからの情報をコンピューターが解析して歩行補助を行う。ASIMOの開発で培った協調制御技術が利用されているという。

そして本記事で以下に取り上げるのは、パワーアシストスーツ専業企業のアクティブリンク株式会社だ。同社は2003年6月に、松下電器産業株式会社(現:パナソニック株式会社)の社内ベンチャー制度「パナソニック・スピンアップ・ファンド」により設立された企業だ。


■ パワーアシストスーツ専業企業

アクティブリンクはパワーアシストスーツの受託開発やコンサルティングを行っており、これまでにリハビリ支援スーツ、パワーエフェクター、パワーフィンガー、パワーローダーなどを開発してきている。

前述のサイバーダインや本田技研工業が医療系に強いのに対し、アクティブリンクは作業系に強い。つまりガテン系だ。

例えば農作業向けに開発した製品はクボタ社から発売され、なんと単三電池4本で8時間以上も使用できるという優れもので、既に200台を出荷している。

そして2014年4月に発表されたのが歩行をアシストするハイブリッド型パワードスーツ「忍者」だ。歩き始めるとモーターが歩行をアシストし、自然と脚が前に出る仕組みになっている。

「忍者」の最高歩行速度は12km/hを可能にし、現在は林業などにも活用できるようにするために、傾斜地への対応を進めている。

■ アクティブリンクの挑戦

アクティブリンクはパワーバリアフリー社会の実現を目指している。パワーバリアフリー社会とは、年齢性別に関係なく生活や労働を行える機会が提供される社会だ。そのために、同社のパワーアシストスーツを役立てようとしている。

また、人材不足が危ぶまれる国内の建設、土木、農業などの現場では通常より力が必要な作業が多い。アクティブリンクはこれらの現場の活性化のツールを提供することにも使命感を持っている。

2013年3月には三井物産と業務提携したことで販売ルートの拡大が見込めるようになった。そのことで、2015年にはパワーアシストスーツを1,000台出荷する準備に入っている。

パワーアシストスーツが、様々な産業の現場を活性化しようとしている。

*画像出典:CYBERDYNE、Honda|Honda Robotics|歩行アシスト、クボタ農業用アシストスーツ ラクベスト|クボタ電農スクエア

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