ポスト「リチウムイオン」の座を狙う革命的バッテリー3選

FUTURUS / 2014年9月12日 8時2分

EV普及の鍵を握る「バッテリー」にこれから革命が起きようとしている。

ここではその事例を3つ紹介しよう。

■ デュアルカーボンバッテリー

まず最初にご紹介するのは九州大学とタッグを組むベンチャー「Power Japan Plus(パワージャパンプラス)」が開発したバッテリー。

既存のリチウムイオンバッテリーは充電に時間がかかることや劣化防止の為、充放電サイクルの制限を伴うなど、その原理上、出力特性の向上に限界が存在。

そこで「Power Japan Plus」と九州大学の石原達己大学院教授が共同で開発したのが高速充放電が可能で、高エネルギー密度を実現する新方式の蓄電池、「デュアルカーボンバッテリー」。

軽量かつ安全で繰り返し充放電に対する寿命に優れており、セル型電池化が可能なことから、EVやPHVに搭載すればエネルギー回生率が大幅に向上すると期待されている。

また充放電中に熱を発生せず、1回の充電で約300マイル(480km)の連続走行が可能なことや、レアメタルやレアアースを必要とせず、100%リサイクル可能な点も注目される。

■ リチウム空気バッテリー

続いてはIBMが「Battery 500プロジェクト」で2009年から開発に着手した「リチウム空気バッテリー」。1充電あたり約500マイル(800km)の航続距離を目指している。

リチウムイオンバッテリーが負極(-側)にカーボン、正極(+側)にリチウム系化合物を使って両極間を電解液で埋めるのに対して「リチウム空気バッテリー」では逆に負極にリチウムを使い、正極に「空気」を使用。

電池のセル内を負極で満たせることから、容量の大きいバッテリーを作れる可能性を秘めており、IBMではリチウムイオン電池の約10倍のエネルギー密度確保を目標に置いて2020年~2030年の実用化を目指している。

またトヨタ自動車も昨年1月にガソリン車並の航続距離達成を目指して「リチウム空気バッテリー」の開発に取り組んでいる事を公表している。


■ グラフェン ウルトラキャパシタ

一般的にバッテリーは化学反応を利用して蓄電するが,電気製品に昔から使用されているコンデンサは電気を電子のまま蓄える事が可能。

そのコンデンサの容量を大きくしたものが「キャパシタ」で、さらに「グラフェン」と呼ぶカーボンシート材の厚みを薄膜化して体積あたりの容量を高めたのが「ウルトラキャパシタ」。

リチウムイオンバッテリーに対して化学反応を必要としないことから大電流の充放電に於いても劣化が殆ど無く長寿命で、100万回を超える充放電サイクルにも耐える。

グラフェンシートは従来品に比べて内部抵抗が1/100程度と小さく、EVの課題の一つである充電速度を飛躍的に向上させることが可能なことから、米EVメーカーの「テスラ」がこの「グラフェン ウルトラキャパシタ」を開発しているとの情報も。

以上のように各種アプローチでポスト「リチウムイオン」の座を狙う革命的バッテリーの研究が進められており、残された課題を早期に克服して「素早い充放電」、「長寿命」、「高エネルギー密度」をものにしたバッテリーが将来の主流になることだろう。

*参考:Power Japan Plus、IBM Battery 500プロジェクト、トヨタ自動車、makeuseof

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