日本も例外じゃない「子どもの貧困」学校で朝ご飯という選択

FUTURUS / 2014年9月25日 19時10分

“朝ごはんは家でしっかり食べる”。

そんな強迫観念にも似た空気が長らく支配的だった日本社会だが、その流れも徐々にではあるが変わりつつある。100円朝食を提供し始めた立命館大学など、低価格或いは無料で朝食を提供する大学が多数現れ話題となり、また楽天やLINE、そしてGoogleなどの企業でも朝食サービスが始まった。

だが初等・中等教育の現場では依然として”家で朝食”至上主義。世界一”食”の流通網が発達している日本において、子を持つ世帯のみが旧態依然のスタイルを強いられている。一体何故だろうか?


■ 世界の朝食・間食事情

現在、世界の多くの学校で朝食サービスが実施されている。アメリカやイギリスの小学校のように貧困対策から始まったところもあれば、人口密度が低い地域のように、早起きして長距離通学をしなければいけない子供たちへ提供しているところもある。

また多くの東南アジア諸国のように、家庭に満足な調理設備や食べ物の保存場所がなく、もっぱら食事を簡単な外食で済ますような地域では、学校内の食堂や売店または学校の外に並ぶ屋台で朝食を取ることも多い。

日本でも2000年前後の”食育”ブームや市町村合併が盛んだった頃に、いくつかの小中学校で”朝の給食”が実験的に行われた事実がある。しかし”給食”といっても牛乳やヨーグルトなどの乳製品が出されるのみ。これは”食事”が出せない様々な事情との妥協の産物だった。

結局数年後には”朝の給食”は自然消滅。「希望者だけにするのか、全員にするのか」で揉め、「朝食は家庭の自己責任」と叫ぶ多数派の保護者たちの声により、朝食を取れない子供たちは現在も置き去りにされたままだ。

また、日本では幼稚園・保育園でのみ提供されている10時の間食も、世界の多くの地域では小学校以上でも行われている。午後のおやつも含め、子供たちに一度に多くの量を食べさせず、一日5~6回程度に分けて栄養を摂取することが主流のようだ。

お腹が空き過ぎたり満腹になり過ぎたりすることは、集中力や身体運動、また思考に対する影響も大きい。簡単な間食を気持ち良い時間の中でとることは、疲れた脳がリフレッシュされるだろう。

■ 理想的な午前中と社会の在り方を

一般的に朝食には、ご飯やパンなどの炭水化物や糖分が多めの果物が良いとされている。また午前10時頃の間食にも、ビスケットや果物など軽めのものが良い。午前中の方が集中力が高まるという研究結果も多く出ている。

しかし日本の子供たちは、昼食まで体力が持たず集中力が途切れてしまうことがあるようだ。しかも”早弁”や”買い食い”という言葉のニュアンスが示すように、日本の学校では間食は”悪い行為”とされてしまっている。

世界一の食品流通網と外食産業をもち、世界的にも質の高い学校給食を実施している日本社会。それにもかかわらず、子供の朝食と午前中の問題行動は、あくまで家庭と個人の責任とし続けたいようだ。

貧富の格差、相対的貧困率の上昇、そして子供の貧困問題など、子供たちを取り巻く環境は大きく変わってきた。戦後復興期から一億総中流時代の遺物である現在の制度・慣習では、ますます多くの家庭に負担がかかり、教育の中心にあるはずの子供たちが取り残されてしまうだろう。

合理的な社会の判断を願う。

FUTURUS

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