進化早すぎ!3Dプリンターはそのうち4Dになるかも

FUTURUS / 2014年10月22日 11時6分

われわれは3D(3次元)の世界に生きている。

1D(1次元)は直線、2D(2次元)は平面、3D(3次元)は立体の世界だ。従来「プリンター」といえば紙などの平面に印刷をする機械で、したがって2Dだった。最近話題の3Dプリンターとは、立体造形を作り出せるプリンターだ。

ところが、MIT(マサチューセッツ工科大学)のセルフアッセンブリー研究室では4Dプリンティングともいえる技術を研究している。4Dとはいったいなんなのか?

一般的に4つめの次元は「時間」だといわれる。この4Dプリンティングに関しても同様だ。どういうことか? この技術は、時間がたつと形が変わる立体をプリントするのである。たとえば下の動画のように。


■ 目標は、自動的に組み上がる家具?

これは、カーボンファイバーの板が曲がっていくだけだが、この4Dプリンティングが目指しているのは、部品が自分で組み上がり、構造物に変化するというような技術だ。

たとえば、ホームセンターで売っている棚には、保管や運搬の際にスペースをとらないようにするため組み立て式のものも多いが、購入者は自分で組み立てなければいけない。でも、もし箱から出した部品が自動的に組み上がってくれたら? やや大げさだが、それが4Dプリンティングの目標だ。

あるいは、状況に応じて形を変えたほうが好ましい部品もある。レーシングカーのウイングは、直線ではフラットになって空気抵抗を低減し、コーナーでは立ち上がって空気の力でクルマを路面に押しつけるほうが望ましい。そういう相反する性質も下の動画のような素材を使えば実現できる。

現代でも形を変える部品というものが不可能なわけではないが、動力が必要だったり、エネルギーを消費したり、やたら構造が複雑だったり、その結果コストがかかったりする。

しかし、この4Dプリンティングの技術は、複雑で高価な機構を必要とせずに、カーボンファイバーや、木目プリント、テキスタイル材その他ゴムやプラスチック類など比較的シンプルな素材を使い、必要に応じて形を変える部品を作り出すのである。材料工学やシミュレーション技術、可視化技術の進化によって可能になったノウハウだという。

■ なぜ変形するのか

その技術は、たとえば薄い木の板が湿気を含むと反ってくるというような原理を意図的に活用したものだ。そのほかにも変形を起こすさまざまな仕組みを研究し、素材や3Dプリンティングの方法(織りかた、編みかた的なもの)を工夫して、変形をプログラムできるようにしたのである。

変形のための条件としては、温度や水、光などが使われる。画像や動画では、自動的に折れたり、曲がったりする板や、さらには像の形に組み上がる板なども見ることができる。

■ 実用化されるか

実用化された場合、いきなり”棚が組み上がる”ということにはならないにしろ、たとえば宇宙開発の分野では、ロケットに搭載されて打ち上がるときはコンパクトで、宇宙空間に射出されると自動的に展開するソーラーパネルやアンテナなどという用途も考えられる。

身近なところでは建築材料や工作材料の一部に、運ぶときはフラットで、現場でパッケージを開けると筒状になるとかコの字型に変形する、なんていう部品が採用されるようになるかもしれない。劇的な生活の変化は起こらないかもしれないが、地味に生活に浸透していきそうな気もする技術だ。

*参考:4-D Printing Turns Carbon Fiber, Wood Into Shapeshifting Programmable Materials – IEEE Spectrum、MIT Self-Assembly Lab

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