クルマの深刻な「右直事故」を防止するトヨタ最新技術

FUTURUS / 2014年10月31日 11時11分

交通事故が発生する場所はどこか?

警察庁が発表した2013年の資料「平成25年中の交通事故の発生状況」によると、約62万9,000件の事故のうち53.6%が交差点で発生している。その内容は、「出会い頭」「右折と直進車」「左折巻き込み」などである。近年、衝突被害軽減自動ブレーキ(AEB)が安全デバイスとして、急速に普及が進んでいるが、AEBは直進路を得意とする技術であり、交差点での事故を防ぐことはできない。

そのため交差点では、クルマ単体ではなく、道路とクルマ、もしくはクルマとクルマが協調して事故を防ぐ技術が研究されてきた。そして、その研究の果実をユーザーが利用できる日は近いとトヨタのIT・ITS企画部ITS開発室長・木津雅文氏は言う。

なんと、2~3年のうちに実用化できそうだというのだ。それが「右折時衝突防止支援システム」である。交差点内の右折車と直進車の衝突、いわゆる「右直事故」を防止するシステムだ。

トヨタIT・ITS企画部ITS開発室長・木津雅文氏。

トヨタの「右折時衝突防止支援システム」の仕組みは意外にシンプルだ。交差点にセンサーを設置し、交差点内に向かってくる直進車を認識。その情報を右折しようというクルマに伝える。センサーは、レーダーやカメラ、光ビーコンなどを使い、700MHz帯の電波で送信。右折しようという車両は、アラーム&警告灯で対向直進車の存在をドライバーに伝える。

トヨタは、このシステムの実証実験を愛知県豊田市で行った。市内の6つの交差点にシステムを設置し、101名の被験者で約半年(前半3か月はシステムなし/後半3か月はシステムあり)にわたって検証したのだ。その結果、大きな効果があることが判明したという。見通しの悪い交差点でいえば、危険な状況が約半減。被験者の88%が「安全運転に役立った」と答えている。

また、トヨタの木津氏は、「この技術は、ほとんど完成されたもの」という。さらに車両側はカーナビの機能延長程度で利用ができる技術であるという。つまり、道路側のセンサー設置さえできれば、すぐにでも実用化が可能になるというのだ。

そこで問題となるのが道路側のセンサーの設置だ。道路にセンサーを設置するのは警察の仕事となるが、どうやら警察はセンサー設置に前向きな姿勢を見せているという。警察がGOサインを出せば、それに歩調をあわせてトヨタも市販車にシステムを搭載することになる。まさに実用化は目前というわけだ。

ちなみに理想を言えば、全国、津々浦々の交差点にセンサーが設置してほしいもの。しかし、予算の問題もある。当然、センサー設置は交通事故が多発する交差点からとなるだろう。一般社団法人日本損害保険協会は、全国交通事故多発交差点マップを公開している。自分の住む町の危険な交差点を、この際、確認しておくのもよいだろう。

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