トヨタの低炭素交通システム「Ha:mo(ハーモ)」の効果と課題とは?

FUTURUS / 2014年11月1日 17時30分

都市への人口集中による交通渋滞の緩和や、二酸化炭素排出量削減のためにトヨタが提案するのが低炭素交通システム「Ha:mo(ハーモ)」だ。

「着眼点としては、既存のインフラを最大限有効活用させることで低炭素化や渋滞軽減を達成したいという思いから始まりました」と、IT・ITS企画部スマートコミュニティ室交通ソリューショングループ長である早田敏也氏は「Ha:mo(ハーモ)」のコンセプトを説明した。

「Ha:mo(ハーモ)」は、2つのサービスから成り立つ。ひとつはスマートフォンを使った情報サービスであり、もうひとつは超小型EV「i-ROAD」などを使ったシェアリングサービス「Ha:mo(ハーモ)ライド」だ。この2つのサービスを組み合わせることで、モーダルミックスの改善(公共交通の利用促進と自家用車利用の抑制)を実現させる。

具体的には、利用者が行きたい目的地をスマートフォンの「Ha:mo(ハーモ)マルチモーダルナビ」に問い合わせると、パーク&ライドやカーシェアリングまでを含めたルートが提案される。

ルート検索は、公共交通情報をはじめ渋滞情報や駐車情報など多面的な情報を保有するクラウド・サーバーのTDMS(Traffic Data Management System)が行う。利用者は、その提案に従って、公共交通や超小型EVなどを使って、目的地まで低炭素かつシームレスな移動が可能となる。

その実証実験は、2012年10月より愛知県豊田市で開始されており、2014年10月からはフランスのグルノーブル市において「Ha:mo(ハーモ)ライド」に該当する超小型EVシェアリングサービスもスタートした。

「効果としては、豊田市においては約10%のモーダルシフトが実現しており、CO2削減も10%程度できています」と早田氏。グルノーブル市においては、交通利用の中で自動車利用率を現状の約55%から2030年までに20%に減少させるのが目標だという。

既存の公共交通機関に超小型EVなどの新しいモビリティを追加して、それらを連携させる情報サービスを組み合わせることで、低炭素社会を実現させる「Ha:mo(ハーモ)」。利用者にとって利便性が高く、行政にとっても嬉しいシステムではある。

しかし、良いことばかりではない。大きなハードルがある。それが実現に必要なコストだ。超小型モビリティの導入費用はどうやって賄うのか? また、それらを維持管理するためのスペースも必要だ。都市化が進んだエリアでは、当然、土地代も大きくなる。それを誰が負担するのか? 利用料金が高すぎては、絵に描いた餅になってしまう。

そこで重要となるのは、やはり行政の姿勢だろう。行政がスペースや補助金を与え、民間がハンドリングを行う。そんな官民一体となった導入が、現実路線ではないだろうか。

FUTURUS

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