空飛ぶ自動車がウイーンでついに公開された

FUTURUS / 2014年11月6日 17時45分

10月29日に、オーストリアのウィーンで開催された「Pioneers Festival」で、あの空飛ぶ自動車の最新バージョンである「AeroMobil 3.0」が公開された。

以前FUTURUSでも「陸・空で変幻自在の「空飛ぶタクシー」が実現する」という記事中で、以前のバージョンの動画が紹介したが、このときは滑走路上で僅かに浮き上がっただけで、飛行している間も不安定さが見られていた。

しかし今回公開された動画では、全く安定した飛行で、もはや飛行機と遜色ない飛行状態を見せている。

「AeroMobil 3.0」は2015年に公開される予定でいたため、前倒しで公開されたことになり、このプロジェクトが加速していることが示されたといえる。

■ 実用性が高まった「AeroMobil 3.0」

オーストリアでの公開となったが、開発しているのはスロバキアのエアロモービル社だ。

「AeroMobil 3.0」はBMWやフォルクスワーゲンの自動車デザインを手がけてきたステファン・クライン氏が1990年から開発を続けてきていたというから、約24年も開発に要したことになる。

今回公開された動画を見てもわかるが、「AeroMobil 3.0」は離陸と着陸が非常に安定してきており、離着陸に必要な距離も離陸に250m程度、着陸は50mもあれば足りる。

技術的に難しかったのは、自動車がダウンフォースを必要とする乗り物であるのに対し、飛行機は逆に浮力を必要とする乗り物であることだ。

これらの相反する性能を共に実現するために、「AeroMobil 3.0」では変身するという仕組みを採用したという。

「AeroMobil 3.0」は自動車としての速度は最高で時速160キロまで出せる。飛行機としては時速200キロが出せるから、どちらも実用性の有るスペックと言えそうだ。

もちろん、「AeroMobil 3.0」を運転(操縦)するには自動車免許だけでなく、操縦士免許も必要となる。

既に現在のバージョンでもかなり飛行できる。

その飛行距離は700kmで、例えばパリからミュンヘンまで飛行できるのだという。燃料はレギュラーガソリンだが、100km飛行するためには7.5リットルで良い。

また、翼を畳んだ際の全長は6mで幅は2.24mであるため、一般の駐車場も利用できる。

定員は2名。既に最終モデルで搭載すべき航空電子機器や自動操縦システム、緊急時のパラシュートシステムなどが備わっていることからも、完成が近いことが分かる。

驚くべきは、その車体重量で、スチール製フレームと炭素繊維製のボディにより僅か450キログラムだという。

■ 交通手段に変革がもたらされようとしている

空飛ぶ自動車は「スカイカー」と呼ばれることも多いが、開発されているのは「AeroMobil 3.0」だけではない。カナダのMoller International社では「Skycar 400」というプロトタイプを開発中だ。

いや、既に実際に注文できる米Terrafugia社の「Transition」もある。但しこちらは自動車というより、セスナ機を無理矢理自動車として走らせているような印象もあるが、「AeroMobil 3.0」同様変身タイプだ。

では日本では開発されていないのだろうか。

それが密かに開発されているらしい。しかも天下のトヨタ自動車によってだ。名称もスペックも何も公開されていないが、トヨタ自動車の東富士研究所で開発中だという。

ホバークラフト形式とも言われているが、まだどのようなコンセプトで開発されているのか分からない。正式に発表されるのが楽しみとなる。

さて、「AeroMobil 3.0」だが、完成度が高いとは言えまだ試作機の段階であるため注文は受け付けていない。ユライ・バツリーク氏によれば、恐らく価格はスーパーカーと小型飛行機の間くらいになるだろうという。

また、商品として販売出来るのは、楽観的に見れば2016~2017年からになりそうだとも語っているから、もう間近だ。

自動車が空を飛べるようになれば、地上の渋滞が緩和されるであろうとの見方もあるが、「AeroMobil 3.0」は思い立ったらすぐに飛べる訳ではない。

前述の通り、離陸に250m、着陸に50mの滑走路もしくはそれに変わる広場が必要だ。

とはいえ、夢だった空飛ぶ自動車が技術的には実現しているということは事実だ。

*画像出典:AeroMobil 3.0 – official video

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