クルマの「自動運転」化がもたらす功罪とは?

FUTURUS / 2014年11月15日 11時1分

「人工知能がつかさどる自動車の未来 最新動向」や「Googleのハンドルが無い究極の自動運転車は時期尚早か」でも触れた「自動運転システム」。

一昨年6月、欧米の動きを踏まえて国土交通省が2020年代初頭を目標に「オートパイロットシステム」の実現を目指すと宣言。

とは言え、システムの導入過程でいきなり完全自律走行を目指すという訳ではなく、まずは高速道路における「半自動運転」の実用化を目指すことになりそうだ。

「半自動運転」とはシステムの故障や予期しない事態が発生した際、ドライバーに対処する余地が残されているシステムを指す。

■ GMがキャデラックに「半自動運転システム」を搭載

一例としてGMが先頃、「キャデラック」の2017年モデルの一部で「スーパークルーズ」と称する半自動運転システムを搭載すると発表した。

このシステムは高速道路走行時や渋滞時、長距離運転等の特定の運転環境において、360度衝突危険検知レーダー、カメラなどから得た情報や車車間通信により加減速を自動制御するもの。

車線内の走行を維持するレーン・センタリング技術によりハンズフリーで走行できるようになっているが、運転状況に対する各種警告機能を備えており、ドライバーの必要性を要求している。

一方の日本でも上級モデルを中心に発進から停止までを前走車と一定の車間距離を保ちながら走行する「ACC」(アダプティブ・クルーズ・コントロール)の普及が進みつつある。

また高速道路走行時の疲労軽減を目的に、カメラで車線を読み取って走行レーンの中央を維持するように操舵をアシストする「レーンキープアシスト」についても既に各社で実用化済みだ。

ステアリングホイールから手を離すとセンサーが働いて制御が解除される点を除けば有る意味、既に「半自動運転」システムが確立されているとも言える。

高速道路上での「追い抜き」についても車両前後に搭載したミリ波レーダーにより、追従する後続車の動きに配慮した自動化が実現できそうだ。


■ 「半自動運転」の先には多くの課題が存在する

こうした状況から判断すれば2020年代を待たずとも、もはや自動運転のハードルはそれほど高くないようにも思える。

しかし完全自律走行へ移行するための課題はその先に存在する。

・道交法を自動運転に合せて全面刷新
・システムの故障が引き起こす各種事象の責任所在
・ハッキング(乗っ取り)による意図的な犯罪への利用
・普及過渡期におけるシステム非搭載車との連携
・路車間通信がインフラ整備の進捗に依存
・路車間、車車間通信に起因する個人情報の漏洩
・システムのハイテク化に伴う修理費の高額化

これらのデメリットを考慮すると、個人で自動運転車を所有するよりも「カーシェアリング」を通した活用が進む可能性も有りそうだ。

一方、メリットが多いのも事実。

・人間の運転ミスに伴う膨大な交通事故の一掃
・渋滞低減によるエネルギー節約
・疲労時の運転からの開放
・移動時間の有効利用
・自動車保険料金の低減

このように「自動運転」がもたらす功罪は表裏一体である。

最終的に「自動運転車を利用するかしないかは貴方次第」という結論にたどり着くのかもしれない。

*参考:国土交通省、GM

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