気になる次世代環境車「PHV」各社の違いまとめ

FUTURUS / 2014年11月26日 11時1分

EVの航続距離は基本的にバッテリーの搭載容量に依存しており、長距離走行のためにはバッテリーを沢山積む必要が有る。

その場合、「テスラ」車のように大容量のバッテリーを搭載するスペースや、注ぎ込めるコストに余裕が有るクルマはともかく、コンパクトな普及価格帯のEVとなると、どうしても航続距離を犠牲にせざるを得ないのが実情。

そうしたジレンマを解決すべく考え出されたのがHVに充電機能を追加した「PHV」だ。


■ PHVの魅力はモーターによる「EV走行」と「航続距離」

「PHV」はEVと同様にモーター走行が可能なだけで無く、たとえバッテリー残量が少なくなってもエンジンを搭載しているため、充電スポットを探す必要が無く、安心してドライブを楽しめるのが魅力。

世界の自動車各社から多様なシステムが展開されているが、モーター走行可能な距離も様々。

今回はそれぞれの違いを整理してみたい。システム別に分類すると以下となる。

・PHV:HVをベースにバッテリーを高容量化、EV走行性能を向上(プリウスPHV、BMW i8等)
・PHEV:EVをベースに加速時など高負荷時にエンジンを利用(三菱アウトランダー等)
・レンジエクステンダー:EVをベースに発電用小型エンジンで航続距離を拡大(BMW i3等)

代表車種を事例にそれぞれのシステムの詳細を見ていこう。

■トヨタ プリウスPHV (FF)

エンジンとモーター(減速時の発電機を兼ねる)で前輪を駆動。

<走行モード>
・EV:バッテリー残量大の場合はモーターで走行
・HV:バッテリー残量小や加速・登坂時はエンジンで走行

EV走行での航続距離:26.4km(JC08モード)
駆動用電池:リチウムイオン(総電力量 4.4kWh)

■BMW i8 (PHV 4WD)

モーターで前輪を駆動、エンジンで後輪を駆動。

<走行モード>
・eDrive:モーターのみで走行
・HV
モーターとガソリン・エンジン両方の駆動力を最適制御
バッテリー残量大の場合はモーター走行を優先(発進・追い越し共)
バッテリー残量小時はエンジンで発電、加速・登坂時にはエンジンがサポート

EV走行での航続距離:35km(JC08モード)
駆動用電池:リチウムイオン(総電力量 7.1kWh)

■三菱 アウトランダー PHEV (4WD)

エンジンとフロントモーターで前輪を駆動、リヤモーターで後輪を駆動。

<走行モード>
・EV:バッテリー残量大の場合はモーターで走行
・シリーズ:バッテリー残量小時や加速・登坂時はエンジンで発電してモーターで走行
・パラレル:高速走行時はエンジンで走行、加速・登坂時にモーターがアシスト

EV走行での航続距離:60.2km(JC08モード)
駆動用電池:リチウムイオン(総電力量 12kWh)


■BMW i3 レンジエクステンダー (RR)

モーターで後輪を駆動

<走行モード>
・EV バッテリー残量大の場合はモーターで走行
・レンジエクステンダー バッテリー残量小時にエンジンで発電してモーター走行

EV走行での航続距離:229km(JC08モード)
レンジエクステンダー:航続距離を最大300km延長
駆動用電池:リチウムイオン(総電力量 21.8kWh)

このように一口で「PHV」と言ってもエンジンとモーターをシチュエーションに合せて使い分ける「トヨタ プリウスPHV」、両方を合成してパワーアップを図る「BMW i8」、バッテリー容量を活かしてモーターを主に使う「三菱アウトランダーPHEV」、小型エンジンで発電してモーターで走る「BMW i3」といった具合に様々なシステムが存在。

まもなく燃料電池車FCV「MIRAI」が発売されるものの、普及期を迎えるまでは欧州勢の動きからもHVの発展形である「PHV」が当面の主流となりそうな情勢だけに、今後ますます各社の設計思想がシステムへ顕著に現れて来そうだ。

*参考:トヨタPHV、BMW i8、BMW i3、三菱PHEV

FUTURUS

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