トヨタ 燃料電池車「MIRAI」発表会レポート

FUTURUS / 2014年11月19日 11時1分

トヨタが年度内発売を予定していた新型FCV(燃料電池車)が2014年12月15日に723万6,000円で発売されることが正式に発表された。

新型FCVの名前は「MIRAI」。まさに未来を予感させる次世代自動車の幕開けである。本日行われた発表会の様子をお伝えする。


■ 名前の由来

MIRAIは日本語の「未来」、トヨタからの「変革への第一歩」というメッセージ。これまでエコというと燃費がいいから走りは我慢するもの、というイメージもあったが、走る楽しみを諦めない、fun to driveを目指したという。

それを反映して発表会の冒頭のイメージも走りを予感させるフットワークの軽いもの。ワクワクドキドキするトヨタの「いいクルマ作り」を反映したものとなっていた。


■ ハイブリッドを超えるイノベーション

これまでトヨタはハイブリッド車を累計700万台出荷し、プリウスはトヨタにとってのイノベーションとなった。このMIRAIはそのプリウスを超えるイノベーションを起こすとトヨタはみている。


■ FCV「MIRAI」の開発

新トヨタFCシステムは20年にわたる開発の結果大幅にコンパクト化、これまでSUVなど大型の車種でしか搭載できなかったものをセダンボディに収めることに成功した。

FCスタックの出力は114kWと家庭用0.7kWの数十倍の出力で貯蔵性能も世界トップレベル。水素タンクはガソリン車と同等の安全性を確保、80km/hでの追突でもタンクは変形することもない。

水素は僅か3分で充填可能で、航続距離は650km。駆動するモーター出力は 113kW(154ps)、335Nm。この高出力モーターにより加速性能は非常に高い。

その他床下をフルカバーするなど空力性能を追求、静粛性にも貢献。専用設計によるボディはボディ剛性も高く、静粛性や走りの質を向上させている。

デザインについては未来を感じさせる先進性のあるものを表現している。とはいっても奇妙奇天烈なものではなく、憧れを抱けるようなものを目指したという。

排出ガスがゼロ、出るのは水だけというクリーンなエネルギーが売りのMIRAIには外部給電機能を装備。

オプションの外部給電機の利用で最大9kW(9,000W)が出力できるため、電気ストーブやコタツといったような電力消費の高い暖房器具でも複数使用可能、災害時の備えともなりうる。

実はFCVはハイブリッド車プリウスよりも早い 1992年から開発を開始。その後200万キロにも及ぶ実走行の実績を高圧水素タンクやFCスタック技術にフィードバックしている。

■ 低炭素社会実現に向けて

エネルギー社会を考えたとき、現在の主流が化石燃料であることは間違いない。これに水素が加わることで、エネルギーの多様化が実現できる。特に水素は電気が苦手な貯蔵・運搬が可能ということで期待されている。特に化石燃料を輸入している日本にとって、水素が果たす社会的意義は大きい。

水素ステーションは現時点では約40箇所、販売チャネルは水素ステーションのそばのトヨタ、トヨペットで開始する。T-CONNECTとIT連携することで水素ステーションの位置情報や稼働状況が分かる他、遠隔見守り機能により車両に異常が発生しても即座対応可能。

■ これからの未来に向けて

生産体制、販売体制、サービス体制など、課題はまだあるという。しかしそれでもトヨタは未来を変えていく一歩をまず踏み出す。水素社会の基盤整理はトヨタだけでは実現できないので、まわりと協調しながらやっていく。MIRAIという名前には、未来に向けたトヨタの思いがそのまま込められている。

FUTURUS

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