話題の「Ingress」文化庁も一目置く

FUTURUS / 2014年12月5日 11時1分

11月28日、第18回文化庁メディア芸術祭の受賞作品が発表された。メディア芸術の総合フェスティバルとしての趣旨を持つ芸術祭のエンターテインメント部門大賞は、過去にはゼルダの伝説やロボット犬のAIBO、Perfumeの“Global Site Project”といったゲームやプロダクト、プロジェクトが選ばれてきた。

この歴史のある賞を今回射止めたのは、「話題のゲームIngressが人類の新しい体験を切り拓く」でお伝えした陣取り合戦的ゲーム、Ingressだった。


■ 12月12日開催の公式イベント参加者は5,000人を超える?

PCやスマートフォンのディスプレイの中に世界中のリアルを映し出すことに成功したGoogleが、「書を捨てよ町へ出よう」とばかりにリアルフィールドへと誘ったIngressは、位置情報を利用したジオメディアの1つでもある。

従来の位置ゲーは残念ながら多くのユーザーの目に止まることはなかったが、Ingressは違った。開発を行ったGoogleスタートアップのNiantic Labsに所属する川島優志氏によれば、Ingressエージェント(プレイヤー)が動いた距離は1億km(地球2,500周分)、アプリのインストール数は800万にもおよんでいる。エージェント数は公開されていないものの、日本は全世界の中でもトップ3に入るエージェントが存在するとのことだ。

なお12月13日に行われる公式イベントDarsana TOKYOの参加者は5,000人を超えるのではと言われているほど、Ingressを取り巻く熱気は日に日に高まっている。

■ ゲームデザインを変える可能性も持っているIngress

エンターテインメント部門審査委員の一人であるゲーム作家・飯田和敏氏は贈賞理由として、「(誰もがポータブルなネット端末を持つ情報環境の中で「私たちはどこへ向かうのか?」ということに対して)『Ingress』は決定的なビジョンを示すことに成功している」「『Ingress』は日常を旅行者の眼差しで再構築していく」と発言している。

これを受けてNiantic Labsの創業者John HANKE氏は「私たちの使命は、フィクションとしての物語と、新鮮な外気を吸えるゲーム体験と、建築やアートや歴史が織り込まれた世界を豊かに紡ぎ出して、インタラクティブなエンターテインメントの領域を、家の中での体験を超えて実世界に広げることです。」と応えている。

従来のゲームといえばインドアなものが大半だった。ポータブルなコンテンツもあくまでゲームを持ち出せる、移動時間の合間に数分だけでもプレイできるというゲームデザインのものが多かった。

しかしIngressは積極的に野に出て、今までは見過ごしていた地元の史跡も廻りたくなる魅力を持っている。ゲームと社会が融合し、新たなゲームデザインとして成り立った。LAWSON × INGRESSというコラボキャンペーンもはじまり、基本無料ではなくすべて無料(ただしユーザーが自ら買い求めた衣類、飲食費、交通費といったリアル課金はある)なコンテンツながら、マネタイズも視野に入れてきている。

Ingressが社会現象となり、マスに受け入れられるゲームとなるのか否か。プレーヤーのみならずとも注目すべき話題であることには違いない。

*参考:第18回文化庁メディア芸術祭

FUTURUS

トピックスRSS

ランキング