防弾チョッキにも最適?最新の素材グラフェンを活用せよ

FUTURUS / 2014年12月9日 8時1分

グラフェンという物質をご存じだろうか。2004年に発見された比較的新しい物質で、現在注目されているもののひとつだ。

電気的特性や光学的特性など、さまざまな面でユニークな特徴を持つので、活用が研究されている。当サイトの過去記事「ポスト「リチウムイオン」の座を狙う革命的バッテリー3選」でも紹介されているがウルトラキャパシタなどに使われるようだ。

このグラフェン、なにかというと炭素原子1個分のみの厚みのシートだ。炭素原子が六角形のセルで平面的に結合した非常に薄いものである。そのグラフェンに関して、ユニークな研究が発表された。アメリカ・ライス大学によるものだ。


それは、グラフェンは非常に衝撃吸収性が高く、ボディ・アーマーや宇宙機の保護に最適だというものだ。以前からグラフェンが鉄よりも強度が高いことは予想されていたが、ライス大学の材料工学者エドウィン”ネッド”トーマス氏は、運動エネルギーを消散させる機能において、グラフェンは鉄の10倍優れていることを明らかにした。

トーマス氏らのラボは、レーザーのエネルギーを使って微粒子を射出する実験装置の先駆機関で、顕微鏡でしか見えないレベルの球体を、非常に正確な速度で、しかも秒速3kmを超える高速で射出する技術を持っている。

その装置での実験の結果、3.7ミクロンの弾は何枚も重ねられたグラフェンのシートを撃ち抜いたが、グラフェンのシートに残されるのは単なる穴ではなく、花びら状に広がった裂け目をともなうことがわかった。これはグラフェンのシートが破れる前に、かなり伸びていることを表している。


■ 音の伝達速度が驚異的に高い

実験の結果、グラフェンのシートは破れる前3ナノ秒間にわたって、衝撃を拡散させつつ伸びていることがわかった。ちなみに、張力はその物質がもつ音の伝達速度より速いスピードでは拡散しない。グラフェンは空気中(秒速343m)よりもずっと速く音を伝える物質だということがわかったのだ。計算したところ、それは秒速約22.2kmだという。 これは知られている物質の中でもっとも速いものだ。

「保護材の性能は、受けた衝撃をどれくらい広いエリアに(遠くまで)拡散できるかの問題です」とトーマス氏はいう。飛んで来た弾のスピードに比べて、衝撃が拡散するスピードが十分に速ければ、衝撃は弾が当たった場所だけに集中することはなくなる。つまり、保護材として適していることになる。

うまく積層したグラフェンは、軽く、そして衝撃拡散性能に優れた素材になりえる。グラフェンはその電導性や光学特性、強度などが注目されているが、防弾着や宇宙機の保護材としても活用できそうだ。

*出典:RICE NEWS -Microbullet hits confirm graphene’s strength-

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