トヨタのエスクァイアが福祉領域で新たな挑戦

FUTURUS / 2014年12月26日 11時10分

発売からおよそ1ヶ月で、目標の5倍以上となる22,000台の受注を記録した、トヨタの新しいミニバン「エスクァイア」。

コンセプトはコンパクトミニバンの“高級化”というのが前面に打ち出されているが、実はもうひとつ新しい試みがある。それが、トヨタとして初めて開発した車椅子をはじめとした、“福祉車両の普通化”というテーマ。

これまでもトヨタは「ウェルキャブ」と呼ぶ福祉車両を数多く手がけてきたが、そのユーザーから聞こえてきた様々な声に応えるべく、福祉車両革新にチャレンジした。

トヨタがウェルチェアと呼ぶ車椅子の開発は、ユーザーがほかの同乗者と同じようにクルマに乗車できることが課題だったという。というのも、これまでの車椅子はまず車載時に重たく、シートベルトでの固定が面倒で大変な作業だった。

それを、ラゲッジに取り付けるスロープの角度から見直し、介護する人が高齢者や女性といった力の弱い人でもスムーズに押せるよう、わずか9.5度という傾斜を実現。リモコンで操作できる電動ウインチをつければ、さらにラクに乗車できる。またフロアを下げるためにプラドなどと共通部品となるエアサスペンションを採用し、音がうるさく動きが大きな油圧式よりも静かでなめらかな動作を叶えた。

エスクァイアでは車椅子が2列目シートの一角もしくは3列目に収まるが、固定したあとにもひと工夫。従来の車椅子では座面が水平で、背もたれが直立していたために、車両が揺れると身体が安定せず、怖さや疲労の原因となっていた。それを、レバー操作で車椅子の角度を変えられるようにしたことで、深く腰掛けられるようになり、急ブレーキ時なども身体が安定するようになっている。

また、従来は目線がほかの同乗者よりも高い位置になってしまい、ひとりだけ浮いた感じになっていた。だから会話をする時にも違和感があったが、角度を変えることで目線が下がり、同乗者との一体感が生まれている。

ラゲッジのスロープは、使わない時には折り畳んでフラットになるので通常のラゲッジとしても使えるほか、車椅子が必要なくなったら別売りで通常のシートを取り付けることができ、エクステリアも標準車と変わらないなど、福祉車両としてだけでなく“普通のミニバン”としても使えるのがポイント。

トヨタのミニバンシリーズは、「エスクァイア」に加えて、「ノア」「ヴォクシー」と選択肢も豊富だ。開発担当者によれば、こうしたアイデアが形になったのは、通常のミニバンの開発者と福祉専門の開発者が同じフロアで仕事をしていたからとのこと。

車椅子ユーザーもその家族にも、もっともっとドライブを楽しんでもらうために、自動車メーカー自らが車椅子まで開発したことは、これからの福祉業界に新しい風を吹き込むことだろう。

FUTURUS

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