不可能とされた音が実現!ホンダの「型破り」な軽自動車が生まれたワケ

FUTURUS / 2015年1月9日 11時41分

「こんな軽があったら面白いだろうな」と、遊び半分でデザイナーが描いた1枚のスケッチ。それが社内で「これカッコイイね」、「オモシロイじゃん」と評判になり、ついに商品化への開発がスタートした。

ホンダが12月に発売したN-BOX SLASHは、そんな生い立ちをもつ珍しい軽自動車だ。

 

■ 最初のスケッチのイメージをそのまま商品化

開発主査を任された本田技術研究所の浅木氏は、「出発点が型破りなんだから、とことんそれを貫こうと思いました。開発中、行き詰まることがあった時の判断基準は、『それって、ファンキー?』ですからね。開発チーム一丸となって、最初のスケッチのイメージをそのまま商品にすることに情熱を注ぎました」と語る。

開発チームがこだわった“ファンキー(=型破り)”の1つ目は、ストーリーを物語るデザイン。

カスタムカーの本場アメリカ西海岸では、黄金バランスといわれるのが『4インチ(100ミリ)チョップトップ』で、N-BOX SLASHは、ちょうどベースとなったN-BOXのルーフを100ミリ低くしたボックスクーペスタイルとなっている。

そこに、外観・インテリア・カラーをトータルで考えたひとつの世界観を表現。若者たちがたむろする街道沿いのレストラン、アメリカンダイナーをイメージした『ダイナースタイル』、古いジャズやブルースが響いてくるライブハウスをイメージした『セッションスタイル』、ハワイの波音や砂浜、ヤシの木やサーファーが浮かぶ『グライドスタイル』など、計5つのスタイルはどれも徹底したデザインで、これまでの軽自動車にはない個性を創り出した。


■ 不可能とされていたサウンドシステムを軽で実現

そしてファンキーの2つ目は、とことん音にこだわったプライベートブースだ。

ボディサイズに法規制のある軽自動車では、スピーカーの配置スペースが最低限しかとれないため、上質なサウンドシステムを搭載することは不可能とされていた。

そこで開発チームは、「それならば、これまでにないスピーカーを作ってしまおう」と、自作スピーカーの大手音響ブランドFOSTEXと共同開発。

試行錯誤を繰り返して、ついにわずか17cmと超小型のバックロードホーン型サブウーファーを開発し、インパネの隙間に搭載することに成功した。

完成したサウンドマッピングシステムは、アルミドームツィーターが4つ、ケブラーコーンスピーカーがフロント/リアで4つの軽8スピーカー+1サブウーファー。

大径のスピーカーは、乗員に向けて奥から音が突き出してくるような形状とし、両サイドは足に音圧を感じるくらいの大きな開口として、パワフルな重低音を引き出しつつ、全域でバランスのとれた高音質サウンドが響く臨場感ある空間を実現している。

現在、軽自動車ユーザーは単なる日常のアシを求める層だけではなく、様々なこだわりを持ったユーザーも軽自動車に注目する時代になっている。

しかし、デザインと音の2つは、そうした人たちのお眼鏡にかなう軽自動車がこれまで少なかった。

ホンダが放った型破りなこのN-BOX SLASHは、果たしてマーケットにどう受け入れられるのか。そして今後登場する軽自動車にどう影響していくのか。マーケットの動向が楽しみである。

FUTURUS

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