ネット広告をやたらと目にする大規模戦略RPG『Mobile Strike』を遊んでみた!
ガジェット通信 / 2015年11月20日 22時30分
このところ、ネット上で大規模な広告展開をしているソーシャルゲーム『Mobile Strike』。『Twitter』でも『YouTube』でも『2ちゃんねる』(専ブラ)でも、とにかくネット上のあらゆるところで画面の隅に広告がポップアップしてきて、ぶっちゃけウザいことこの上ない! ではなぜそんなゲームをわざわざ紹介するのかというと、遊んでみたらこれが案外面白かったから(笑)。
調べてみるとこのゲームは、少し前に、これまた大量の広告効果で『App Store』の売上ランキング上位常連だった人気作『Game of War』のクローンだということだ。『Game of War』を開発・運営していたMachine Zoneが新たに立ち上げたEpic War LLCが開発・運営を行っている。装いを新たに、二匹目のドジョウを狙う、といったところか。
●数千人のプレイヤーのリアルな生活とリンクした戦場
シュワちゃんの出演している広告では本作を「戦略RPG」と銘打っている。拠点の箱庭内政と、広大なマス目状の全体マップで繰り広げられるリアルタイム戦争が二本柱で、過去に日本で流行ったゲームでは『ブラウザ三国志』が近いだろうか。
数千人のプレイヤーが同時にゲームの世界に参加することが可能で、自分がオンラインではない間も、他のプレイヤーたちによってゲームの世界は常に回り続けている。まともな学生・社会人の就業時間と睡眠時間に当たる日中および深夜から朝方にかけては、全体マップ上で行動するユニットの数が目に見えて減るし、逆に夕方から24時頃までは頻繁に戦争が発生したりチャット・メールが飛び交ったりと、活発なプレイヤー間の相互干渉が見られる。
強豪同盟の幹部には、たいてい1人は常時戦況を監視できるニートプレイヤーがいて、彼らが夜討ち・朝駆けのゲリラ戦を仕掛ける一方、月に10万円以上ものリアルマネーをつぎ込んで軍勢を強化した“廃課金”プレイヤーが金の力にモノを言わせて敵の主力部隊を蹴散らす。“偽書”を送って敵対同盟同士を戦わせることで弱体化を図る“駆虎呑狼”や、スパイを潜り込ませて内情を探らせる“埋伏の毒”といった様々な計略を張り巡らせる“軍師”をロールプレイするプレイヤーもいたりする。
具体的な操作はガラケー時代に流行った「5」ボタンをポチるだけのソーシャルゲームとさほど変わらず、ゲーム中で「ミッション」と称するものも、ボタンを押してあとは時間が経つのを待つだけのものがほとんど。プレイヤーの実生活上の人格や資金力が反映される協力・対戦プレイそのもの、つまり“ソーシャルであること”自体がMMOソーシャルゲームの最大のゲーム性であり魅力だと言えよう。
500×1000マスほどの広大なワールドマップの中央には統制点と呼ばれる重要拠点があり、ここを数千人のプレイヤーで奪い合う。筆者の国(サーバー)では、やや先行してゲームを始めた韓国人同盟が統制点を支配中。周囲の日本人同盟が果敢にアタックしているようだが……。サーバーは今のところ全44個。最先行サーバーは4か月前からだが、ほとんどはゲーム開始から1週間以内の若いところばかり。筆者同様、大量の広告につられてこの手のゲームを初めて遊んでみたという人も多く、フレッシュだ。
各プレイヤーに与えられた基地内では、戦略物資となる食料・鉄・石材・石油を開発したり、その物資を使って4すくみ関係のある兵士を生産したりすることができる。物資はワールドマップ上に点在する採掘ポイントを占拠することでも得ることができる。ミッションをこなして獲得したポイントを振り分けてプレイヤー(指揮官)のスキルツリーを成長させ、強力な軍勢を作り上げるのだ。
戦闘はマップ上でちょっとしたアニメーションと結果画面が表示されるだけで、ヒジョ~にジミ。宣伝では戦闘機やヘリが飛んだりしていたけど、今のところ航空機が出てくる気配はこれっぽっちもない。まあ宣伝に突っ込むだけ野暮というものか。あと、かなり課金前提の作りではあるものの、完全無課金の筆者でも某ランキング項目の1位になれているので、一銭も使わずとも遊びようはあると思う。
●自動翻訳チャットで全世界のプレイヤーが同時に遊べる 外国人プレイヤーが「仲良しこよし」をぶち壊す!?
世界中からプレイヤーが参加するMMOゲームで問題となるのが“言葉の壁”。これを解決するために、運営側は国ごとの推奨サーバーを設置するなどしてプレイヤーの住み分けを促してきた。しかし本作ではむしろ、世界中のプレイヤーを積極的に同じサーバーで遊ばせようとする運営の思惑を感じる。
本作で“言語の壁”を乗り越えるために用意されているのが、マイクロソフトの自動翻訳アプリ『Microsoft Translator』の機能だ。世界30か国語に対応し、サーバーの全体チャットでは、どの言語も自動的に日本語に変換されて表示される。この自動翻訳チャットは『Game of War』でも採用されていたそうだが、筆者にとっては非常に新鮮だった。何しろ英語だけでなく、ハングル、繁体字、フィンランド語まで、一応は日本語として読むことができるのだ。もちろん出身国ごとに同盟を作って遊ぶことはできる。しかしそれでも海外の同盟と交渉する場面は発生することだろう。そのような場面でもこの自動翻訳機能が活躍するのだ。
知っての通り、現在の自動翻訳機能はまだまだ未熟で、明らかな誤訳も多い。だが、様々な出身国からのプレイヤーがごちゃ混ぜになって遊ぶことで面白くなっていると感じることもある。
それは、特に日本人が集まると起こりがちな“慣れ合い”文化の破壊。筆者がこれまでにプレイしてきた本作と似たようなテーマのMMO戦略ゲームでは、上位同盟同士がある種の“談合”によってうまみを独占し、戦争を楽しむゲームのはずなのに戦争が起こらない、むしろ好戦的同盟は徒党を組んだ仲良しこよし同盟連合によって真っ先に潰されるという理不尽なことになっているものが多かった。
だがプレイヤーの出身国がごちゃ混ぜなこのゲームでは、チャットを読んでいるのかどうか怪しい外国人同盟員が大同盟相手に勝手にケンカを売りにいって、盟主がその始末をつけるために先方の盟主にお詫びメールを送るといったようなことが実際に発生している。日本人同士で慣れ合ってのんびり箱庭農耕ゲームとして遊ぼうにも、サーバーの半分は好戦的な外国人同盟なので、気の休まる時がない。これぞ戦略ゲーム!
自動翻訳の精度はまだまだ未熟だし、戦闘と偵察の結果を同盟内で共有する仕組みはないし、基地を敵の偵察・攻撃から完全に守ってくれる課金アイテムの“盾”が強すぎたりと、戦闘を楽しむソーシャルゲームとして粗い部分も目に付くが、真っ昼間(向こうの時間ではゴールデンタイムだったりする)から攻め込んでくる外国人とぶっ壊れたチャットで罵り合ったりするのは楽しくて、気付いてみれば5日目にして早くもレベル20に到達。サーバー内ランキングでも上位に顔を出してしまった。ああ、もう普通に楽しんじゃってるよ、これ。
自動翻訳システムの改善もゲームになっているのが面白い。プレイヤーが訂正した文章の中から最適と思われる翻訳を投票で選んでいく仕組み。報酬があることでプレイヤーはゲームの一部として積極的にシステム改善に参加したくなるわけだ。
筆者のいるサーバーのプレイヤー出身国構成は日本人4割、韓国人4割、その他2割といったところか。お互いの国の食べ物やアニメの話で和やかだったところに、入ってくるなりなんの脈絡もなく政治的主張を始める韓国人がいたり。日韓チャットあるある。仲良く(ゲームで)戦争しようぜ!
『Mobile Strike』販売元:Epic War LLC
対応機種:iOS/Android
利用料金:基本無料、アプリ内課金あり
ジャンル:リアルタイム戦略MMORPG
(c)2015 Epic War, LLC All rights reserved.
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